イグザレルトドライシロップ 小児用が2021年7月12日発売となった。
非常に使われるケースは限られるが大切な薬剤になると思われる
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イグザレルトドライシロップ 小児用
他の剤形において小児における「静脈血栓塞栓症の治療及び再発抑制」の効能・効果は追加されていたが、
より広範囲に使用できるようにドライシロップが発売となった。体重によって細かく量が設定されている。
先天的、遺伝的病気の子供や寝たきりの子供など限られた症例だろうが、必要とする人はいるだろう。
効能・効果
「静脈血栓塞栓症の治療及び再発抑制」
※生後3か月から服用することが出来る
※小児ということもあり、心臓への適応はない
※急性期への適切な初期治療(ヘパリン投与等)が5日以上なされた後に投与すること
→急性期に最初から使うことは出来ない
用法・用量
「通常、体重2.6kg以上12kg未満の小児には下記の用量を1回量とし、1日3回経口投与する。体重12kg以上30kg未満の小児にはリバーロキサバンとして5㎎を1日2回、体重30kg以上の小児には15mgを1日1回経口投与する。いずれも空腹時を避けて投与し、1日1回、2回及び3回投与においては、それぞれ約24時間、約12時間及び約8時間おきに投与する。」
・2.6kg以上3kg未満→1日2.4mg、1回0.8mg、1日3回
・3kg以上4kg未満→1日2.7mg、1回0.9mg、1日3回
・4kg以上5kg未満→1日4.2mg、1回1.4mg、1日3回
・5kg以上7kg未満→1日4.8mg、1回1.6mg、1日3回
・7kg以上8kg未満→1日5.4mg、1回1.8mg、1日3回
・8kg以上9kg未満→1日7.2mg、1回2.4mg、1日3回
・9kg以上10kg未満→1日8.4mg、1回2.8mg、1日3回
・10kg以上12kg未満→1日9mg、1回3mg、1日3回
・12kg以上30kg未満→1日10mg、1回5mg、1日2回
生後いつから服用することが出来るのか?
メーカーの問い合わせによると
生後3か月から服用することが出来るとのこと。体重も2.6㎏から用量が設定されているので細かく調節可能。
30㎏未満は、ドライシロップを使うことになる
確実に飲み込ませるため、臨床試験では、
薬を飲ませた後の食事の際に、水の他にミルクやジュースが使われている。
※乳幼児の場合は、薬を飲ませた後、母乳、乳をすぐに飲ませる必要がある
※空腹時を避けるために「食事中」、「間食後」や「授乳後」に飲ませてOK。
「食事」という言葉に縛られないようにすること。
飲み忘れた場合の対応
1日2回であれば、12時間毎、1日3回であれば8時間毎に服用する必要がある。
ただ、飲み忘れることもあると思うので対応は知っておくと良い
【1日3回の場合】
服用予定時刻から遅れた場合、予定時刻から 1 時間以内であればそのまま投与してOK。
予定時刻から1時間を超えた場合はその回は投与せず、次回予定通り服用すること。
一度に2回分は飲まないようにすること
【1日2回の場合】
1回目の服用を忘れた場合は、直ちに服用するか、2回目に2回分を服用してもよい。
2回目の服用を忘れた場合は、同日であれば直ちに服用してよい。
※ただし、2回分を一度に服用した場合は、出血リスクが高まるので注意
参考資料
イグザレルトドライシロップ小児用、添付文書、インタビューフォーム
バイエル問い合わせ
新薬品の使用上の注意 バイエル