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胃腸・消化器関連

リパクレオン (パンクレリパーゼ)の特徴について

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リパクレオン (パンクレリパーゼ)の特徴について簡単に整理する。

リパクレオン (パンクレリパーゼ)の特徴

結構すごい消化酵素剤なので知っておくと良い。

効能・効果

「膵外分泌機能不全における膵消化酵素の補充」

具体的な使用例が書かれている。下記を確認のこと
「<効能・効果に関連する使用上の注意>
非代償期の慢性膵炎,膵切除,膵嚢胞線維症等を原疾患とする膵外分泌機能不全により,脂肪便等の症状を呈する患者に投与すること.」

※膵外分泌機能不全に対する日本で最初の薬剤であるため、具体的な内容が記載されているとのこと

どんな消化酵素?

高力価パンクレアチンである。
ブタの膵臓から精製した膵酵素で高力価の「アミラーゼ」、「リパーゼ」、「プロテアーゼ」を含んでいる。
消化管内において脂肪、蛋白質、デンプンを分解することで消化吸収率を増加させる。
特に脂肪の消化力を高めた製剤である。

どれくらい高力価?濃厚なのか

パンクレアチンの力価を上げたものである。どれくらいかというとインタビューフォームに記載がある。
製剤ベースでも6倍から8倍高力価である。

インタビューフォームの記載
「日局パンクレアチンと比較した単位重量当たりの力価として,製剤ではリパーゼで約 8.4 倍,プロテアーゼで約7.0 倍及びアミラーゼで約6.5倍,原薬ではリパーゼで約16.3倍,プロテアーゼで約11.9倍及びアミラーゼで約11.5倍の力価を有する」

禁忌

「(1)本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
(2)ブタ蛋白質に対し過敏症の既往歴のある患者」

ブタの膵臓から精製したものなのでブタ蛋白質にアレルギーがある人には使えない

用法・用量

「通常,パンクレリパーゼとして1回600mgを1日3回,食直後に経口投与する.なお,患者の状態に応じて,適宜増減する.」

※食直後というのがポイントで、食べ物と速やかに十二指腸に行くことに意味がある。

副作用

消化酵素剤ということもあり、「便秘」、「下痢」が多い。

「国内の臨床試験における安全性評価対象例 149 例中 64 例(43.0%)に副作用(臨床検査値異常を含む)が報告された.主な副作用は,便秘 7 例(4.7%),下痢 7 例(4.7%),発熱 6 例(4.0%),腹部膨満 5 例(3.4%),高血糖 5例(3.4%)であった.」

その他の特徴

・吸湿性があるため、一包化には向かない。出来ない。
添付文書に下記の記載あり
「本剤は吸湿により酵素活性が低下するため,服用直前まで顆粒はアルミ分包,カプセルは PTPシートから取り出さないこと.」

・粉砕不可
・慢性膵炎,膵切除,膵嚢胞線維症等に伴う膵外分泌機能不全に対する膵酵素補充療法に使う
・胃の酸性条件下で失活する。アルカリ域でのみ活性を示す
胃から速やかに十二指腸に行き、十二指腸で効果を発揮するように製剤的な工夫がされている

参考資料
リパクレオン、添付文書、インタビューフォーム