ロメリジン の特徴について簡単に整理する。有名な商品名は、ミグシスやテラナスである。
2012年までは日本で唯一の片頭痛予防薬であった。現在は、プロプラノロールやバルプロ酸ナトリウムも片頭痛の予防薬として使えるようになっている。
ロメリジン の特徴
あくまでも予防薬として用いることがポイントである!
効能効果
「片頭痛」
※添付文書の重要な基本的注意をしっかりチェックしておくこと
「⑴本剤は片頭痛発作(月に 2 回以上)により日常生活に支障をきたしている患者に投与すること。
⑵本剤は発現した頭痛発作を緩解する薬剤ではないので、本剤投与中に頭痛発作が発現した場合には必要に応じて頭痛発作治療薬(酒石酸エルゴタミン・無水カフェイン等)を頓用させること。投与前にこのことを患者に十分に説明しておくこと。」
※重要な基本的注意の方に発作薬でないことが記載されている
用法用量
「通常、成人にはロメリジン塩酸塩として1回5mgを1日2回、朝食後及び夕食後あるいは就寝前に経口投与する。なお、症状に応じて適宜増減するが、 1 日投与量として20 mgを超えないこと。」
※最大量は20mgである。
作用機序・薬理作用
脳血管選択性の高いカルシウムチャネル遮断薬である!カルシウム拮抗薬に分類される
ロメリジン塩酸塩は Ca2+チャネル遮断作用を示す
↓
血管収縮抑制作用を示す
※脳血管に選択的であり降圧作用はほとんどない
↓
脳血流増加させる
↓
片頭痛の発作を予防する
※他にも、脳血管透過性の亢進を抑制するなど様々な効能が報告されている。
具体的には、ミグシスのインタビューフォームを参照のこと
効果の発現まで
片頭痛の発作回数や程度を軽減し、発作治療薬を減量させる目的があるが・・・
どれくらいで効果が発揮されるのだろうか。
飲み始めてから3~4週経過しないと効果を実感できないことが多いので、徐々に効果が出てくると説明する必要がある。
※即効性を実感する人いる
※8週間後に64%の患者で片頭痛発作の頻度・程度の軽減が期待できる。
→逆に言えば、34%の人には効果がない。2か月以上服用して効果がなければ中止することも考える。
添付文書上の記載も確認
「本剤投与中は症状の経過を十分に観察し、頭痛発作発現の消失・軽減により患者の日常生活への支障がなくなったら一旦本剤の投与を中止し、投与継続の必要性について検討すること。なお、症状の改善が認められない場合には、漫然と投与を継続しないこと。」
その他の特徴・注意点
・ロメリジン減量後、再燃しないケースもあるので片頭痛発作の頻度などは確認した方がよい
・予防薬の中では、比較的即効性が期待できる。あくまでも比較的であることに注意
・妊娠や妊娠可能性のある婦人には禁忌なので女性は特に注意する
→プロプラノロールの方が使いやすい
・比較的多い副作用は、「めまい」「眠気」
→運転などには十分注意する。添付文書には、運転には従事させないようにという記載がある。
参考資料
ミグシス、添付文書、インタビューフォーム
慢性頭痛の診療ガイドライン2013