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基礎的医薬品とは?

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今回は、「基礎的医薬品」を整理する。2022年、遂に、調剤薬局では、後発医薬品数量シェアを90%を目指していくこととなる。そのうえで基礎的医薬品という分類に注意する必要があるので知っておくと良い。
基礎的医薬品は、平成28年4月の診療報酬改定時に初めて登場した分類である。
具体的な医薬品のリストは厚生労働省のホームページで確認することが出来る。

基礎的医薬品

先発品にも後発品にも分類されないので注意すること

薬価上の措置が必要な基礎的医薬品の基本的な考え方

低薬価品等の特例の1つとして挙げられている。「基礎的医薬品」の制度の位置付けとしては、「現行の不採算品再算定、最低薬価になる前の薬価を下支えするもの」とされている。「平成 28 年度薬価制度改革の骨子」によると、定義的なものは以下のとおりである。

「基礎的医薬品については、現行の不採算品再算定、最低薬価になる前の薬価を下支えする制度として位置付け、平成 28 年度薬価制度改革においては試行的な取組みとして、下記の要件を全て満たす医薬品を対象とし、最も販売額が大きい銘柄に価格を集約してその薬価を維持することとする

① 収載から 25 年以上経過し、かつ成分全体及び銘柄の乖離率が全ての既収載品の平均乖離率以下
② 一般的なガイドラインに記載され、広く医療機関で使用されている等、汎用性のあるもの
③ 過去の不採算品再算定品目、並びに古くから医療の基盤となっている病原生物に対する医薬品及び医療用麻薬

なお、基礎的医薬品の制度によらず十分な収益性が見込まれる品目は対象外とするとともに、基礎的医薬品として薬価が維持されている間は継続的な安定供給を求めることとする。」

【対象品目の要件】

※口語的というか、簡単に説明される際には、「薬価に長く収載されていて、薬価がどんどん下がってしまい採算が取れない医薬品で・・・よく医療現場で使われていて・・・無くなってしまうと困る薬を指す」

※最も販売額が大きい銘柄に価格を集約するので「もともと後発医薬品に分類されていた薬」は、薬価が上がることがある。

対象品目の要件

・保険医療上の必要性が高いもの。
・医療現場において、長期間にわたり広く使用されていることから、有効性・安全性が確立されているもの。
・継続的に市場への安定供給を確保(製造設備の改修を含む)することが必要なもの。

基礎的医薬品となった医薬品の例

・エブトール錠
・MSコンチン錠
・リンデロンVG製剤
・ケフラールカプセル
・ケフレックスカプセル
・チラーヂンS錠、散
・エリスロシン錠
・ホスミシン錠
・トミロン錠
・グリセリン浣腸
・プロペト、白色ワセリン

その他の影響

・一般名処方マスタから削除されるため、一般名処方加算が算定できなくなる。
・先発品でも後発品でもない分類となるため、後発品医薬品数量シェアの算定対象から外れる。
→分母分子から外れる

参考資料
平成 28 年度薬価制度改革の骨子
令和3年度薬価改定について 厚生労働省
(別添1)基礎的医薬品対象品一覧 厚生労働省