関節リウマチと妊娠 についての治療薬について簡単に整理する。出来る限り手短に・・・
第一選択薬であるメトトレキサート(リウマトレックス)は飲むことが出来ないので注意すること
関節リウマチと妊娠
妊娠中の投与は、メトトレキサート、レフルノミド(アラバ)、JAK阻害剤が禁忌であるため、それ以外のものを考慮する。
妊活する際の注意点
関節リウマチの方が妊活する際の注意点がいくつかある。
・妊娠は計画的に行う事
・関節リウマチの活動性、症状が落ち着いてること
・妊娠中に飲むことが出来る抗リウマチ薬を飲んでいること
などが大切である。
※関節リウマチの活動性が高いと妊娠自体しにくい
※妊娠中は関節リウマチの活動性は低下しがちだが、産後は活動性が上昇することがあるので注意
関節リウマチ治療薬と妊娠
添付文書上では、妊娠中の投与は、メトトレキサート、レフルノミド(アラバ)、JAK阻害剤が禁忌となっている。
それ以外は、有益性が上回る場合に使うとなっている。
妊娠中における関節リウマチ薬治療薬のガイドライン上の取り扱いは下記である。
【メトトレキサート(MTX)】
催奇形性のため妊婦には投与しない。中止後1月経周期をあけて妊活可能
【タクロリムス(プログラフ)】
妊娠中は投与は可能
【サラゾスルファピリジン(アザルフィジンEN)】
妊娠中の投与は可能
【TNF阻害剤】
状況により妊婦への投与は可能
TNF阻害剤:インフリキシマブ(レミケード)、アダリムマブ(ヒュミラ)、ゴリムマブ(シンボニー)、セルトリズマブペゴル(シムジア)、エタネルセプト(エンブレル)
【トシリズマブ(アクテムラ)】
状況により妊婦への投与は容認
※IL-6阻害剤の1つ
【アバタセプト(オレンシア)】
状況により妊婦への投与は容認
※T細胞共刺激調節薬の1つ
【サリルマブ(ケブザラ)、バイオシミラー】
状況により妊婦への投与を考慮出来る
※IL-6阻害剤の1つ
【JAK阻害剤】
妊婦への投与は避ける
JAK阻害剤:トファシチマブ、ペフィシチニブ、ウパダシチニブ、バリシチニブ
※免疫グロブリンは胎盤を通過するので妊娠後期に胎児に移行する
※抗体製剤は、妊娠後期の投与は避ける(どうしても使う場合は、医師の指示に従ってください)
※セルトリズマブ(シムジア)、エタネルセプト(エンブレル)は、胎児への移行は少ない
関節リウマチ治療薬と授乳
授乳中は、メトトレキサート、レフルノミドが禁忌となっている。JAK阻害剤も避けるべき。
生物学的製剤は、母乳への移行が少ない。移行しても消化管で分解されると考えらえている。
参考資料
関節リウマチ診療ガイドライン2020
各添付文書、インタビューフォーム