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その他

陳旧性 とは?

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国家試験の勉強や臨床で、意外と目に触れるけど意味を理解してない言葉ではないだろうか。
「陳旧性」って何?
私自身も人に聞かれると「ん~?」という時期があった。
実務実習指生などには理解して欲しい内容なので簡単にまとめておく。

陳旧性とは?

陳旧性(ちんきゅうせい)とは

医療用語としては、「時間の経過を表す言葉」である。

どの「時間経過」を表しているかというと、「急性期」や「亜急性期」よりも時間が経過した状態のことである。

今まさに変化が起こっている状態を表す「急性」や「亜急性」とは違い、今は、変化が起こっていないものを「陳旧性」と表現する。

※ちなみに英語でOldとかOldnessと表現されるので・・・そっちを覚えた方が手っ取り早い。

陳旧性の例

【陳旧性心筋梗塞(old myocardial infarction: OMI)】

急性心筋梗塞(Acute myocardial infarction: AMI)が発症した後、病状が安定した状態を指す。
心筋壊死を起こして、今は、変化が起こっていないということである。
慢性期の状態で、既往歴として「心筋梗塞」があれば「陳旧性心筋梗塞」と表現する。
診断上は、急性心筋梗塞と診断されてから発症30日以上経過しているかどうかもポイントとなる。

急性心筋梗塞を起こして、ステントを留置する治療をしたり、ステントは留置しない治療を選択したり様々だが・・・
再度、狭窄してないか・・・再狭窄の有無を定期的に冠動脈の状態を検査する。
例えば、こういう場合、「陳旧性心筋梗塞」の患者という事になる。

※発症から72時間以内を「急性心筋梗塞」、72時間以降30日以内を「亜急性心筋梗塞」、「30日以降を陳旧性心筋梗塞」と定義されることもある

陳旧性という言葉が載っている添付文書

陳旧性という言葉が載っている添付文書を確認してみよう!
ちなみに添付文書に「効能・効果」として載っているものは
「陳旧性心筋梗塞」「陳旧性心房細動」「陳旧性の門脈血栓症」しかなさそうだ。
(他にも病名として「陳旧性」とつくものは多数ある。)

Pmdaで情報検索欄の「効能・効果」に「陳旧性」を入れて検索したところ、2022年5月の段階で41件ヒット。
ジェネリック医薬品も多いので抜粋して下記に載せる。

【陳旧性心筋梗塞】

・コンプラビン配合錠(クロピドグレル・バイスピリン)
・プラビックス錠(クロピドグレル)
・ブリリンタ錠(チガグレロル)
・エフィエント錠(プラスグレル)

【陳旧性心房細動】

・キニジン硫酸塩錠「ファイザー」(キニジン硫酸塩水和物)
・アミサリン錠(プロカインアミド)

【陳旧性の門脈血栓症には「有効性が期待出来ない」という記載】

・献血ノンスロン注(アンチトロンビンⅢ)

参考資料
コンプラビン配合錠、添付文書
プラビックス錠、添付文書
プリリンタ錠、添付文書
エフィエント錠、添付文書
キニジン硫酸塩錠「ファイザー」、添付文書
アミサリン錠、添付文書
献血ノンスロン注、添付文書