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皮膚科

オテズラ錠 (アプレミラスト)の特徴について

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オテズラ錠 (アプレミラスト)の特徴について解説する。飲み方が少し特殊であるがスターターパックを使えば問題ないはずである。簡単に特徴をまとめたいと思う。
アプレミラストは、尋常性乾癬、乾癬性関節炎、ベーチェット病に対する世界初の低分子の経口ホスホジエステラーゼ 4(PDE4)阻害剤である

オテズラ錠 (アプレミラスト)の特徴について

飲み始め副作用に注意する。特に下痢は対策も含めて押さえておく

効能・効果

○局所療法で効果不十分な尋常性乾癬
○乾癬性関節炎
○局所療法で効果不十分なベーチェット病による口腔潰瘍

「効能又は効果に関連する注意〈局所療法で効果不十分な尋常性乾癬、乾癬性関節炎〉」
以下のいずれかを満たす尋常性乾癬又は乾癬性関節炎患者に投与すること。
▶ステロイド外用剤等で十分な効果が得られず、皮疹が体表面積の10%以上に及ぶ患者
▶難治性の皮疹又は関節症状を有する患者

※皮疹が体表面積の10%以上に及ぶ患者⇒手のひら約10枚分
※外用剤だと背中に塗りにくい場合もあるので効果が得られていない場合は使える

用法・用量

「通常、成人にはアプレミラストとして以下のとおり経口投与し、6日目以降はアプレミラストとして1回30mgを1日2回、朝夕に経口投与する。」

※悪心、嘔吐、下痢などの副作用を防ぐ意味でも用法用量は守る必要がある
※食事に関係なく服用することが出来る

治療の目的

乾癬の場合:関節破壊の進行の抑制が重要である。
乾癬の皮膚症状は可逆的であり、関節炎は不可逆的
また、爪や頭皮の症状は治りにくい傾向にある

薬理作用・作用機序

▶乾癬をはじめとした炎症性疾患の患者の免疫細胞や表皮組織では「PDE4が過剰に発現」していて細胞内cAMPの低下により各種サイトカイン(TNF-α、IL-2等々)の炎症性メディエーターの産生が亢進している
※免疫細胞の中ではPDE4の働きによりcAMPをAMPに分解している。
▶アプレミラストはPDE4を阻害して細胞内のcAMPを上昇させる。
▶結果として、炎症性サイトカインの産生を調整して過剰な炎症反応を抑制していると考えれている。

※細胞内のcAMPが増えるとIL-10等の抗炎症性サイトカインの産生が増える

副作用

よく起こる副作用は、「下痢」「悪心」「頭痛」「嘔吐」など。
初期に多く用量依存的に発現してしまう。
対策をしても治まらない場合減量・中止を考える必要がある。

【副作用の下痢の機序】
PDE4を阻害することでcAMP上昇⇒小腸のCLチャネル活性化⇒腸管内に水分が分泌されて下痢が起こる。
対策としては整腸剤が一緒に出されるケースあり。
※非公式であるが、下痢の対策として木クレオソートを配合する市販薬(正露丸)が効きやすい。

【対策】
下痢⇒整腸剤、正露丸
吐き気⇒吐き気止め(ドンペリドン等)
頭痛⇒痛み止め(ロキソプロフェン等)

【参考データ】
「日本人尋常性乾癬、乾癬性関節炎患者を対象とした国内臨床試験では、本剤の全投与期間中に、安全性評価症例 120 例中 37 例(30.8%)に副作用が認められた。報告された主な副作用は、下痢 11 例(9.2%)、腹部不快感 7 例(5.8%)、鼻咽頭炎 5 例(4.2%)、乾癬 3 例(2.5%)、腹部膨満 3 例(2.5%)であった(承認時)

尋常性乾癬、乾癬性関節炎を対象とした海外臨床試験及び、ベーチェット病を対象とした国際共同第Ⅲ相試験の併合解析では、本剤の全投与期間中に、安全性評価症例 2,344 例中 1,066 例(45.5%)に副作用が認められた。報告された主な副作用は、下痢 343 例(14.6%)、悪心 303 例(12.9%)、頭痛 138 例(5.9%)、上気道感染 64 例(2.7%)、嘔吐 64 例(2.7%)、緊張性頭痛 59 例(2.5%)、ウイルス性上気道感染 51 例(2.2%)、消化不良 48 例(2.0%)、腹痛 47 例(2.0%)であった(承認時)」

その他の特徴

▶食事に関係なく飲める
▶半割、粉砕は△、可能に近い(行っている施設はあり、メーカーデータなし)
▶飲み始めはスターターパックを使う
▶再開時の量の決まりは無い。