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精神科

ボルズィ錠 (ボルノレキサント)の特徴について

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今回はボルズィ錠について簡単にまとめる。名前が「Vornorexant(ボルノレキサント)」の「Vor」と、寝息の「zzz」を合わせて「ボルズィ(Vorzzz)」って名付けられている。ちょっと面白い薬です。

ボルズィ 錠(ボルノレキサント)の特徴

▶効果のイメージは「速く効いて、抜けるのも速い」「翌朝に残りにくい」
▶一包化、粉砕、簡易懸濁できる
▶副作用の悪夢は比較的少ない可能性がある
▶毎日飲むことが大切

効能・効果

「不眠症」

用法・用量

「通常、成人にはボルノレキサントとして1日1回5mgを就寝直前に経口投与する。なお、症状により適宜増減するが、1日1回10mgを超えないこととする。」

【用法及び用量に関連する注意(引用)】
・入眠効果の発現が遅れるおそれがあるため、本剤は食事と同時又は食直後の服用は避けること
・中程度のCYP3A阻害作用を有する薬剤と併用する場合は、ボルノレキサントの血漿中濃度が上昇し、傾眠等の副作用が増強するおそれがあるため、1日1回2.5mgとすること。
・中等度肝機能障害患者(Child-Pugh分類B)では、ボルノレキサントの血漿中濃度が上昇し、傾眠等の副作用が増強するおそれがあるため、1日1回2.5mgとすること。

眠気と運転の話

服用して眠気が出る場合は、運転や機械操作を避けるように記載がある。
この記載は、他の同効薬であるクービビック、デエビゴ、ベルソムラよりも緩い記載となっている。
ちょっとした違いにもなっているので頭に入れておくと良いかもしれない。

【重要な基本的注意】
「不眠症あるいは本剤の影響により、眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがある。「17. 臨床成績」の項を熟知し、患者の状態を十分に把握した上で、自動車の運転等の危険を伴う機械を操作することの適否を慎重に判断し、危険を伴う作業等を行う場合には十分な注意が必要であることを適切に患者に指導すること。また、眠気等があらわれた場合には、自動車の運転等の危険を伴う機械の操作に従事しないよう、患者に指導すること」

【同効薬のクービビック、デエビゴ、ベルソムラとの違い】

クービビックの重要な基本的注意の記載の例(デエビゴ、ベルソムラも同じ記載)
「本剤の影響が服用の翌朝以後に及び、眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、自動車の運転など危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること」

禁忌の話(抜粋)

クラリスロマイシンは一緒に服用出来ないので注意が必要。他には新型コロナウイルス治療薬のゾコーバも一緒に飲むことが出来ない。

 重度の肝機能障害(Child-Pugh分類C)のある患者
▶イトラコナゾール、ポサコナゾール、ボリコナゾール、クラリスロマイシン、リトナビル含有製剤、エンシトレルビル フマル酸、コビシスタット含有製剤、セリチニブを投与中の患者

薬理作用・作用機序

ボルノレキサントはオレキシン 1(OX1)及びオレキシン 2(OX2)受容体に対する拮抗薬
覚醒を促進する神経ペプチドであるオレキシン A 及び B の OX1 及び OX2 受容体への結合を阻害することにより、覚醒から睡眠へ移行させると考えられる。
OX1受容体とOX2受容体に対する作用に差がない特徴がある

副作用

傾眠や悪夢の副作用の報告はある。直接比べることは出来ないが、臨床データを見ると他の同効薬と比べると「悪夢」は少ない可能性がある。

【インタビューフォームの記載】
「主な副作用は、傾眠、悪夢、倦怠感、血中乳酸脱水素酵素増加、浮動性めまい、睡眠時麻痺であった。」

その他の特徴

▶半減期が短い理由。構造式を工夫して脂溶性を下げている。具体的には、オキサアジナン環を有している。高活性かつ短半減期の薬剤である。半減期が短いと持ち越しも減ると考えられる

▶透析の方も服用可能
▶一包化、粉砕、簡易懸濁できる
▶副作用の悪夢は比較的少ない可能性がある
▶毎日飲むことが大切

参考資料
ボルズィ、添付文書、インタビューフォーム
メーカー勉強会