タカジアスターゼ ・ジアスターゼ・パンクレアチンなどを含む消化酵素剤の違いを整理する。
基本的に消化酵素剤としてはパンクレアチンを含むものがほとんどである。
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タカジアスターゼ ・ジアスターゼ・パンクレアチンについて
何の消化を助けるのか。飲めない人はどんな人か整理すると分かりやすいと思う。
ちなみに今回は、触れないがビオヂアスターゼは糸状菌由来の酵素である。
タカジアスターゼ
アスペルギルスオリゼー由来/麦芽由来の酵素である。αアミラーゼを含み、炭水化物に対して消化作用を示す。
主に炭水化物の消化異常症状に使われる。
※高峰譲吉が発見した消化酵素
【タカジアスターゼを含む製剤】
厳密には、総合健胃薬に該当するが、
S・M配合散など
※パンクレアチンを含まない製品
※総合健胃薬:消化酵素剤だけでなく、制酸剤や生薬成分を含む
ジアスターゼ
麦芽由来の消化酵素である。
α、βアミラーゼを含む。でんぷんを麦芽糖、低級デキストリンまで消化する作用がある
主に炭水化物の消化異常症の改善に使われる。至適pH4.5-5.5
強アルカリや強酸で失活する。
【ジアスターゼを含む製剤】
厳密には、総合健胃薬に該当するが、
FK配合散など
※パンクレアチンを含まない製品
パンクレアチン
ブタ膵臓抽出酵素である。
膵液中のプロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼなど多くの消化酵素を含んでいる。
酵素としては中性から弱アルカリ性で活性を示す。
腸溶性製剤となっている製品がある。
でんぷん、タンパク質、脂肪を消化する作用がある。
※濃厚パンクレアチン製剤としてリパクレオン®が販売されている。
【パンクレアチン含有医薬品】
タフマックE、ベリチーム、日局パンクレアチン、エクセラーゼ、リパクレオンなど
もちろん上記の製品には、ジアスターゼなどを含むものもある。
次の項で述べるアレルギーを考える上でパンクレアチンを含むかが重要となってくる
パンクレアチン含有製品の注意点
【アレルギーに注意】
パンクレアチンを含む製剤は添付文書に下記の文言が入っている。
「ウシ又はブタたん白質に対し過敏症の既往歴のある患者」
※時々、牛肉などがアレルギーで食べれない人がいるが、そういった人は飲むことが出来ない。
アレルギー歴の問診はとても重要である。
上記のアレルギーがある人でも・・・総合健胃薬であるが、S・M配合散は問題なく飲むことが出来る
【腸溶性に注意】
胃酸に弱いため腸溶性製剤となっているため添付文書に下記のような文言が入っている。ベリチーム、リパクレオンなどが該当する。
・ベリチーム
「(1)調剤時:腸溶性皮膜を破損しないように注意すること。
(2)服用時:本剤は腸溶性皮膜を施した顆粒が配合されているので,
砕いたりかんだりしないこと。」
・リパクレオン
「服用時:本剤は砕いたり,噛んだりしないこと.
[腸溶コーティングの保護が破壊され,口腔粘膜を刺激したり,酵素活性が失われたりする.]」
※タフマックEカプセルは胃溶性顆粒と腸溶性顆粒が充填されているカプセルである。
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【口内刺激性に注意】
直ちに飲みこむことが大切である。口内刺激性あり。
小児の誤飲の報告で、大量に口の中に停滞することで、口内炎、口腔内潰瘍発現の報告がある。
参考資料
各製剤の添付文書、インタビューフォーム