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精神科 薬物動態・相互作用

リスペリドン内用液(リスパダール内用液)の効き目の速さ・時間について~錠剤との違いも少し~

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おまけ:リスペリドン内用液(リスパダール®内用液)とお茶を避けた方がいい理由

①効き目の速さ・時間について

添付文書上
リスペリドン「錠」と「内用液」で薬物動態的に差はあまりないが、
「内用液」の方が効果が速いことが分かっている。
「錠」と「内用液」で同等性が示されているが、
Tmaxと半減期を比較すると

・未変化体
内用液:Tmax 0.81±0.22、半減期 3.57±2.16
錠剤  :Tmax 1.13±0.36、半減期 3.91±3.25

・活性代謝物
内用液:Tmax 2.67±2.45、半減期 20.91±3.72
錠剤  :Tmax 3.27±2.54、半減期 21.69±4.21

→ざっくり見ると、たしかに未変化体とか活性代謝物のTmax
はどちらも内用液の方が短い

・インタビューフォーム(参考)
「健康成人21例にリスペリドン1mg(錠又は内用液)を経口投与し、未変化体血漿中濃度と主代謝物である9-ヒ ドロキシリスペリドン(パリペリドン)の濃度の推移及び薬物動態パラメータを検討した。未変化体血漿中濃 度は投与後約1時間で最高値に達し、消失半減期は約4時間であった。9-ヒドロキシリスペリドン血漿中濃度は 投与後約3時間で最高値に達した後、約21時間の半減期で消失した(LC-MS/MS法にて測定)。また、血漿中リ スペリドンの製剤間比の90%信頼区間はCmax:0.910〜1.248、AUC:0.854〜1.107であり、両製剤間の生物学的 同等性が示された。」

※分包包装があり、服用時に水がいらないので携帯に便利である

飲み方

「本剤を直接服用するか、もしくは1回の服用量を水、ジュース又は汁物に混ぜて、 コップ一杯(約150mL)くらいに希釈して使用すること。なお、希釈後はなるべく速やかに使用すること」

「茶葉抽出飲料(紅茶、烏龍茶、日本茶等)及びコーラは、混合すると含量が低下することがあるので、希釈して使用しないこと」

メーカーの話:
セレネース®静脈注射に負けず劣らずの速さと説明している

飲み物なしで飲むと15分くらい
飲み物ありで普通に飲むと30分くらい

薄めず飲んだほうが効果が「速く」かつ「強い」とのこと

※精神科の薬はよく剤形の違いで効果の質が 変わってくることがよくある。
例えばリスパダール®内用液では錠剤に比べて 衝動性、攻撃性をおさえ、抗幻覚妄想作用も強く出ると言われている。

リスペリドン内用液(リスパダール®内用液)とお茶を避けた方がいい理由

添付文書上の記載
「茶葉抽出飲料(紅茶、烏龍茶、日本茶等)及びコーラは、混合すると含量が低下することがあるので、希釈して使用しないこと。」

そもそも苦味が強いので何かと混ぜたい
なぜ?ダメなのか?



茶に含まれるポリフェノールの1種であるタンニンと リスペリドンが
キレートを形成するためである。濁りと含量低下を引き起こす。
その観点からグレープフルーツジュースや
ぶどうジュース、ワインも避けたほうがいい。

この中ではグレープフルーツが一番マシ
コーラに関しては海外のデータで含量低下があったようで
添付文書に記載されている 。

例えば、「アメル」のデータで言えば
リスペリドンと午後の紅茶(ストレート)だと混ぜた直後に
60%ぐらいの含量になる。
烏龍茶だと70%・・・
水・カルピス・ポカリなどはOK
味噌汁や松茸の味お吸い物も大丈夫とのこと
ただし、メーカーのデータにばらつきがあるので注意

参考資料
精神科のくすりを語ろう 熊木徹夫
リスパダール内用液 添付文書、インタビューフォーム
リスペリドン内用液1ml「アメル」と飲料水等との配合変化試験結果
共和薬品工業