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精神科

ラモトリギン(ラミクタール®)の作用機序や副作用について~皮膚症状は用量依存的~(追記予定)

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ラモトリギン(ラミクタール)の特徴~ドパミン仮説に基づいて~

①双極性障害におけるドパミン仮説とは?(ざっくり)

躁状態における興奮では

過剰のドパミンが放出される

ドパミン受容体のdown-regulationが起こる

うつ病相の悪化
(その後、躁状態の悪化にもつながると言われているのだが、今回は省略) 
また、ドパミンの過剰分泌により グルタミン酸の過剰分泌が起きてしまい、
神経細胞のアポトーシスが生じる

病態のバランスが崩れたり
認知機能の障害を受けると言われている 。

双極性障害の型の違いは下記参照
https://mibyou-pharmacist.com/2019/04/05/双極性障害について~Ⅰ型とⅡ型をざっくりと~/

②作用機序

ナトリウムチャネルを抑制することで
神経膜を安定化させ
グルタミン酸の興奮性神経伝達物質の遊離を抑制する。
カルシウムチャネルも阻害する効果がある。

③催奇形性とバルプロ酸ナトリウムの併用

催奇形性

海外データで、抗てんかん薬を服用していない
非てんかん女性の催奇形性率は、約3%であるが
ラモトリギンを服用している方と有意差はなく変わらない

※バルプロ酸ナトリウムを服用している方は10%ぐらいと高いので注意

・躁病のエピソードには使えない。
大うつ病エピソードに効果を示す。

バルプロ酸ナトリウムとの併用

肝臓でのグルクロン酸抱合が競合するため
半減期が伸びる(約2倍)→皮膚症状の副作用が出やすくなる
(服用後8週までに出やすい)
併用時はラモトリギンの増量を単剤のときに比べて「徐々に」が必要である

添付文書(警告・用法用量)(一部抜粋)

双極性障害における気分エピソードの再発・再燃抑制の場合

「本剤の投与により中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、薬剤性過敏症症候群等の全身症状を伴う重篤な皮膚障害があらわれることがあり、死亡に至った例も報告されているので、以下の事項に注意すること」

「投与開始時は定められた用法・用量を超えないこと。バルプロ酸ナトリウム併用時の投与開始2週間までは隔日投与にすること(成人のみ)。」

「通常、成人にはラモトリギンとして最初の2週間は1回25mgを隔日に経口投与、次の2週間は1日25mgを1日1回経口投与し、5週目は1日50mgを1日1回又は2回に分割して経口投与する。6週目以降は維持用量として1日100mgを1日1回又は2回に分割して経口投与する。症状に応じて適宜増減するが、増量は1週間以上の間隔をあけて1日量として最大50mgずつ、1日用量は最大200mgまでとし、いずれも1日1回又は2回に分割して経口投与する。」

補足

双極性障害に用いる場合
ラモトリギンは、有効血中濃度がなく、効果が速く出る人もいる

④よく起きる副作用

「皮膚症状」「めまい」「傾眠」 

どの期間が多い?
4週間までがピークで、その後8週間目まで注意
皮膚症状が出た場合、「風邪症状」や「目の充血」等注意

「用量依存的」であり、アレルギーとは違う!!

フェノバルビタールやカルバマゼピンも同様である。

 皮膚症状が出た場合、皮膚科受診をした方がよい。
また、半減期が長いので落ち着くのに1週間はかかる。
いきなり高用量を処方されて、皮膚症状が出た方を私も見たことがあるので
用量は大切。徐々に増量すること

参考資料
ラミクタール®添付文書、インタビューフォーム