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精神科

アリドネバッチ(ドネペジルパッチ)の特徴や使い方について

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2023年、ドネペジルの貼り薬が興和株式會社から発売となった。認知症治療に一石を投じることになるがシェアを取るようになるのだろうか。
今回は、そのドネペジル経皮吸収型製剤であるアリドネパッチの特徴について簡単に整理する。

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アリドネパッチ(ドネペジルパッチ)の特徴

いきなり有効用量から開始できる。また、錠剤からの切り替えは楽である。

効能・効果

「アルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制」

※軽度から高度まで関係なく使用することが可能
※現状、アルツハイマー型のみ(2023年現在)
⇒例えば、ドネペジル錠の先発品であるアリセプトなどは「レビー小体型認知症」への適応があるため注意

用法・用量

「通常、軽度~中等度のアルツハイマー型認知症患者にはドネペジルとして、1日1回27.5mgを貼付する。高度のアルツハイマー型認知症患者にはドネペジルとして、27.5mgで4週間以上経過後、55mgに増量する。なお、症状により1日1回27.5mgに減量できる。
本剤は背部、上腕部、胸部のいずれかの正常で健康な皮膚に貼付し、24時間毎に貼り替える。」

※注目すべきは、ドネペジル錠にあるような消化器系副作用軽減目的の開始用量などが設定されていない。
⇒いきなり有効用量で使用することが出来るメリットが、アリドネパッチにはある。
簡単に言うと、「開始用量」が「有効用量・維持用量」である。

※後述するが、皮膚症状の副作用を軽減するため、貼る場所を割と頻回に替える必要があるため、介護者や看護者、家族などの協力が得られる人向きの薬剤である。

薬理作用・作用機序

アセチルコリン(ACh)を分解する酵素であるアセチルコリンエステラーゼ(AChE)を可逆的に阻害して
脳内のアセチルコリン(ACh)量を増加させる。結果として、脳内コリン作動性神経系を賦活することで認知症の進行を抑える。

重要な基本的注意(抜粋)

「8.1 定期的に認知機能検査を行う等患者の状態を確認し、本剤使用で効果が認められない場合、漫然と使用しないこと。」
⇒効果の判定は必要である

「8.2 アルツハイマー型認知症では、自動車の運転等の機械操作能力が低下する可能性がある。また、本剤により、意識障害、めまい、眠気等があらわれることがあるので、自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事しないよう患者等に十分に説明すること。」
⇒「従事してはいけない」ので注意すること。特に車社会の地域は気を付ける必要がある。

「8.3 本剤の貼付による皮膚症状を避けるため、貼付部位を毎回変更すること。皮膚症状があらわれた場合には、ステロイド軟膏又は抗ヒスタミン外用剤等を使用するか、本剤の一時休薬、あるいは使用を中止するなど適切な処置を行うこと。」
⇒ステロイド軟膏に関して、メーカー資料では、Very strongを推奨している。

「8.6 光線過敏症が発現するおそれがあるので、衣服で覆う等、貼付部位への直射日光を避けること。また、本剤を剥がした後も、貼付していた部位への直射日光を避けること」
⇒この製品は、「上腕部」にも貼れるため日光に注意すること。

よくある副作用など

「アルツハイマー型認知症患者を対象とした国内第Ⅲ相試験において、適用部位障害〔適用部位そう痒感 24.9%、適用部位紅斑 24.3%、接触皮膚炎 12.6%等〕が副作用として報告されている 。」

他にも、下痢、食欲不振、易怒性、攻撃性なども注意すること。

※ちなみに貼付部の軽度な赤みは100%出る。ただし、そのうち痒みの自覚症状がある人は約17%と報告されているため、赤みが出るのは仕方ないことである。貼る場所を替えると9割の人が2,3日で赤みが消えてくる。

※同一部位への貼付は、7日以上の間隔をあけること
⇒貼る場所のローテーションは是非薬剤師などと話し合いながら検討してほしい。

※リバスチグミンテープより皮膚の副作用は減っている
理由:リバスチグミンテープの基剤は合成ゴムであり、アリドネパッチは不織布を使用しているため差が出ている。

※その他の副作用に関しては、易怒性、攻撃性などの副作用は、ドネペジル錠よりも少ない。

ドネペジル錠から切り替えの際の量

休薬などは必要なく、すぐに切り替えることが出来る
ドネペジル錠5mg⇒アリドネパッチ27.5mg
ドネペジル錠10mg⇒アリドネパッチ55mg

その他の特徴

○貼付剤なので血中濃度が安定する。
○メマンチンとの併用が可能
○規格が少ないため、使い方がシンプルであり、在庫があまり増えない
○錠剤からの切り替えが楽
○貼り直し不可。残念だが剥がれたら新しいものを貼る
○ハサミで切ることはNG
○お湯をかけると剝がれやすい。お風呂の時間の貼り替えがおススメ
⇒病院や施設などでは、朝貼り換えるケースが多いため、皮膚トラブルで悩んでいる場合提案してはどうだろう
⇒保湿剤を塗ってから貼るのもGOODとのこと

参考資料
アリドネパッチ、添付文書、インタビューフォーム
興和株式會社説明会資料