カリーユニ®点眼液は、カタリン®Kのように顆粒を溶かす必要がないので便利である。ただし、カタリン®からカリーユニ®へ変更する際は注意が必要。
細かい話だが知っておくと小ネタになると思うので少しまとめる。
効能・効果は同じである「 初期老人性白内障 」
用法・用量も大体同じ。同じ箇所は下記
「1回1~2滴、1日3~5回点眼する。」
今回取り上げる違いは2つである
①保存方法
②pHの違い
おまけ:点眼薬による目の不快感の原因は?
①保存方法
・カタリン®→溶解後、冷所に遮光保存、3週間以内の使用
・カリーユニ→室温保存
※カリーユニの方が溶かす手間もなく冷所に入れる必要もない!!
便利である。 しかし、細かい話が②になる。
※カリーユニ®の添付文書の保管上の注意(一応)
「本剤は、保管の仕方によっては振り混ぜても粒子が分散しにくくなる場合があるので、上向きに保管すること。」
※カタリン®、カタリン®Kの使用上の注意
「点眼される際のご注意(キャップはしめたまま)
冷所に保管していた点眼液を取り出した後すぐに点眼すると
(特に薬液が少ない場合)、溶液の中の冷たい空気が手で温められて膨張し、薬液が連続して落ちる場合があります。点眼する前にしばらく容器を手で温めてから点眼すると、1滴ずつ点眼できます。」
② pHの違い
カタリン®:pH5.5~6.5
カタリン®K :pH4.5~6.5
カリーユニ®:pH3.4~4.0
上記が示すようにカリーユニ®の方が酸性になっている。
目のpHは7.0~7.4なのでこれに近いほうが目に「しみない」。
つまり、カリーユニ®は①のメリットがある代わりに
カタリン®より「しみる」可能性がある。
特に、現場で個人的に経験したことは、カタリン®からカリーユニ®に変更した際に「しみる」と訴える方が時々いるということ。
変更する場合は、丁寧に説明した方がいいだろう。
また、カタリン®の1本の溶解液が15mlであるため、カリーユニ®の1本5mlが少ないと感じる高齢者も多い。
「1滴で十分なことの説明」と「1滴を確実に出せる方法」
をしっかり服薬指導することが大切である。
補足
カタリン®→錠剤を溶液に溶かす
カタリン®K→顆粒を溶液に溶かす。KはkaryuのKのこと
③おまけ:点眼薬による目の不快感の原因は?
ポイントは2つある。
・pH(上記のカリーユニ®はこちら)
・浸透圧比
下記の条件だと不快感を感じる可能性がある。
pHの場合
点眼薬のpHが6以下、あるいは8以上のとき
浸透圧比の場合
浸透圧比が塩化ナトリウム換算0.6~2.0w/v%の範囲外
参考資料
カリーユニ®点眼液添付文書
カタリン®点眼用添付文書
カタリン®K点眼用添付文書