世界初のβ1遮断薬の貼付剤である。
貼付剤と錠剤で等価量はどれくらいかなど触れたいと思う。
錠剤(メインテート®)との同等量や切断はどうなのか?について解説
※ビソプロロールは、ISA(内因性交感神経刺激作用)がない選択的なβ1遮断薬である。
ISAについてはこちらを参照のこと
①適応症
「本態性高血圧症(軽症~中等症)」、「頻脈性心房細動」
②用法用量
貼り薬であり、「背中」に貼れるのは、高齢者など服薬困難者にも使用できるところがいい。
頻脈性心房細動は、年齢関係なく4mgスタートであり、最大量はどちらも8mgである。
合併する場合は、4mgスタート!
本態性高血圧症(軽症~中等症)
「通常、成人にはビソプロロールとして8mgを1日1回、胸部、上腕部又は背部のいずれかに貼付し、貼付後24時間ごとに貼りかえる。 なお、年齢、症状により1日1回4mgから投与を開始し、1日最大投与量は8mgとする。」
頻脈性心房細動
「通常、成人にはビソプロロールとして1日1回4mgから投与開始し、効果が不十分な場合には1日1回8mgに増量する。本剤は胸部、上腕部又は背部のいずれかに貼付し、貼付後24時間ごとに貼りかえる。 なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日最大投与量は8mgとする。」
②錠剤との同等量
成分はどちらもビソプロロールなので商品名で
ビソノテープ®4mg→メインテート®錠2.5mg
ビソノテープ®8mg→メインテート®錠5mg
③切っていいのか?
ビソノテープ®は単位面積当たりのビソプロロールの濃度が一定、
含量は貼付面積に比例する。
(これは知っておくとよい)
↓
綺麗に半分には出来ないけれど、減量は可能となる。
(厳密に分割できないので疑義照会は必要)
※ハサミなどで切った際に、有効成分は漏れ出ないが、
粘着面が露出するのでベタベタ。
絆創膏やガーゼ+テープするといいだろう
④注意点(検査値上)
「投与が長期にわたる場合は、心機能検査(脈拍、血圧、心電図、X 線等)を定期的に行うこと。徐脈又は低血 圧の症状があらわれた場合には減量又は投与を中止すること。また、必要に応じアトロピンを使用すること。 なお、肝機能、腎機能、血液像等に注意すること。」
→薬局でも「脈」「血圧」や心電図をクリニックなどで検査しているか聞き取る必要はあると思う。徐脈の有無など薬歴に記載するよいだろう
⑤その他の特徴
・皮膚から吸収されるため肝臓での初回通過効果は受けない
・皮膚障害が起こらないように貼付場所は毎回替える。
皮膚障害が起こったときは、ステロイド外用剤などで対応する。
※適応部位の副作用は13.1%と割と高頻度なので注意
・夏など剥がれやすい時は?
汗を拭いたりして貼る。
また、一部剥がれた場合は、絆創膏などで剥離部を固定する。
(添付文書・インタビューフォームに記載あり)
・ピーク値とトラフ値の差が少ない。
(24時間で9割放出される)
↓
ピーク値を抑えている分、β遮断薬の「ふらつき」が少ない。
だだし、脈の確認必要(徐脈ないか)
おまけ:ビソノテープの動画
参考資料
ビソノテープ®添付文書、インタビューフォーム
メーカー問い合わせ
トーアエイヨーホームページ