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循環器 高血圧

エンレストと高血圧症 ~今後追記予定~

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エンレストと高血圧症 について簡単に整理する。
令和3年9月27日より「効能・効果」に追加になっている。慢性心不全以外でも使用するケースがあるので知っておくと良い。

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エンレスト錠の特徴 (サクビトリルバルサルタン)と心不全(関連事項)について

エンレストと高血圧症

・慢性心不全と用量が違うことがあるので注意
・第一選択薬として使う時は、摘要欄にコメントを入れること

効能・効果

添付文書の記載は下記のとおりである。規格の違いがあるので知っておくこと

〈エンレスト錠50mg・100mg・200mg〉
「慢性心不全
ただし、慢性心不全の標準的な治療を受けている患者に限る。」

〈エンレスト錠100mg・200mg〉
「高血圧症」

※50mgは、慢性心不全だけである。つまり、100mgとか200mgの規格を服薬指導する際は、「慢性心不全」なのか「高血圧症」なのか記録しておく必要があると思われる。

効能又は効果に関連する注意(高血圧症)

添付文書の記載は下記のとおりである。
「過度な血圧低下のおそれ等があり、原則として本剤を高血圧治療の第一選択薬としないこと。」

※「原則」なので第一選択薬として使われるケースはあるとのこと
※降圧作用だけでなく、心臓の方へも+αの作用も期待するケースなどが該当するらしい。ARB単独と薬価を比べたら差が結構あるが・・・
今後どうなるのだろうか。
第一選択薬として使用する場合は、症状詳記をコメントに入れると良いとのこと。忘れないようにすること

医薬品医療機器等法上の効能・効果等の変更に伴う留意事項の一部改正等について

症状詳記の件は保医発でもしっかり記載されている。
「本製剤の効能又は効果に関連する注意において、「過度な血圧低下のおそれ等があり、原則として本剤を高血圧治療の第一選択薬としないこと。」とされているので、投与開始に当たっては、本製剤の投与が必要と判断した理由を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。」

用法・用量(高血圧症)

添付文書の記載は下記のとおりである。
「通常、成人にはサクビトリルバルサルタンとして1回200mgを1日1回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、最大投与量は1回400mgを1日1回とする。」

※最大400mgまで使うことが出来る

用法及び用量に関連する注意(高血圧症)

「本剤はサクビトリル及びバルサルタンに解離して作用する薬剤であるため、本邦のバルサルタンの承認用法及び用量での降圧効果、本剤の降圧効果を理解した上で、患者の状態、他の降圧薬による治療状況等を考慮し、本剤適用の可否を慎重に判断するとともに、既存治療の有無によらず1回100mgを1日1回からの開始も考慮すること」

「慢性心不全を合併する高血圧症患者では、原則として慢性心不全の用法及び用量に従うこととするが、慢性心不全の発症に先んじて高血圧症の治療目的で本剤を使用している場合等は、患者の状態に応じて適切に用法及び用量を選択すること。」

※100mgから開始するケースもある

薬理作用・作用機序(高血圧)

サクビトリルとバルサルタンの複合体であるため、2つの作用を期待できる。
「ネプリライシン阻害作用」と「AT1受容体阻害作用」である。

【ネプリライシン阻害作用】
ナトリウム利尿ペプチドを亢進させることで
「血管拡張」「交感神経抑制」「Na利尿」作用により血圧を下げる。

【AT1受容体阻害作用】
アンジオテンシンⅡの作用を抑えることで、
「血管収縮」、「体液貯留」の抑制作用により血圧を下げる。

その他の特徴

・降圧効果は、オルメサルタン20mg<エンレスト200mg
・透析患者でも使うことが出来る
・アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬とは併用すべきではない。(併用注意欄記載あり)

厚生労働省 保医発0927第3号令和3年9月27日 
エンレスト、添付文書、インタビューフォーム
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