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歯科

サルコートカプセル 外用の特徴(ベクロメタゾンプロピオン酸エステル製剤)~難治性の口内炎に用いる~

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サルコートカプセル 外用の特徴(ベクロメタゾンプロピオン酸エステル製剤)について解説する。難治性の口内炎に用いるものである。

ある日、大きな医療機関から処方せんがきた。恥ずかしながら見たこともない薬剤でびっくりした。口内炎の薬でスプレータイプがあるとは・・・
個人的に忘れないように、簡単にまとめる

①サルコートカプセル の効能効果

「びらん又は潰瘍を伴う難治性口内炎」
→難治性というのがポイントである。
初めて服薬指導をした方も少し前に別の口内炎の薬剤使用歴があった。

※ドライパウダー噴霧式口内炎付着型アフタ性口内炎治療薬

※トリアムシノロンアセトニドの5倍、デキサメタゾンの約600倍の局所抗炎症作用を有する

アフタッチ®ではダメなのか?

インタビューフォームには下記のような記載がある

「「アフタッチ®」は、病変部の小さなアフタ性口内炎に対しては高い有用性を有 していたが、複数個のアフタあるいは、広範囲のびらんあるいは潰瘍を伴う口内炎に対しては、治療薬としては適うものではなかった。 」

つまり、トリアムシノロンアセトニド (アフタッチ®)で効果が不十分な場合用に開発されている

②用法用量

「通常、1回1カプセル(ベクロメタゾンプロピオン酸エス テルとして50μg)を1日2~3回、専用の小型噴霧器を用いて患部に均一に噴霧する。なお、症状により適宜増減する。」

また使用上の注意として
「約3週間使用しても効果が認められない場合は、本剤の投与を中止すること。」

→効果の有無を薬局でも確認する必要がある。

③基剤の特性

基剤として「ヒドロキシプロピルセルロール」が使用されている
添付文書に特性が書かれているので下記に示す

・高分子基剤からなり、口腔内などの粘膜に対する付着性が大きい。
・唾液により膨潤し、柔軟な薄層となって病巣患部を被覆保護する
・覆うことで接触痛を緩和する。
・物理的な摩擦によっても容易に剥離しない
・徐々に溶解し長時間局所に付着・滞留する

患者からの質問(1):付着後どれくらい経てば飲食できるのか?

ゼリー状に固まれば飲食することが出来る。
個人差はあるが、サルコート®を噴霧後10分から20分程度で基剤がゲル化するので、そのあと飲食してOKである

患者からの質問(2):使用後(直後)うがいはするのか?

ステロイドであるが、付着したものが剥がれると効果が落ちるので
使用直後のうがいはしないように指導する必要がある。
吸入ステロイド使用したことがある患者は、うがいした方がいいと判断する人もいると思われる。

メーカーからの回答
「噴霧後すぐにうがいをすると患部に付着した薬剤も剥がれ落ちてしまう恐れがありますので、ゼリー状に固まるまではうがいは控えてください。」とのこと

③注意点

・カプセルであるが付着性粉末剤なので、カプセルを飲み込んだり、吸入したりしないこと

・高齢者には、おそらくパブライザー®にセットして使用することが難しいと思うので入念に説明する必要がある
説明しながら、難しいと感じたのは、
「カプセルをセット→キャップをすることで穴があく→再びキャップを外す
→噴霧時は、呼吸を止める」
など、色々ハードルがある。

・1回1カプセル使い切り。また、1カプセルで10噴霧程度出る。

・カプセルは濡れた手で触らないことカプセルが濡れると、うまく噴霧されないことがある。

・軟膏が使いにくい場合にも使いやすい

参考資料
サルコート®添付文書
帝人ファーマへの問い合わせ