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感染症・抗菌薬 皮膚科

水いぼ とは?~治療・生活上の注意・学校での対応~

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水いぼ について簡単に整理する。

①水いぼ とは?

ウイルス性の皮膚感染症(伝染性軟属腫ウイルス)によって人から人へうつる皮膚感染症である。乳児や成人には少ない。
幼児の2~6歳に多く、小学2年生の10歳前後で減ってくる。
保育園児、幼稚園児にお馴染みで集団生活が原因と思われる。
また、水泳教室で集団感染することも知られている。皮膚と皮膚の接触や
ビート板などで接触するためだと考えられている。

傾向としては、免疫機能が未熟な子供やアトピー体質などがあるとなりやすい。

②治療について

自然治癒することもあるが、平均的には6か月から3年かかってしまうため現実的ではない。水いぼ自体に痒みはないが、治りかけの時に痒みが強くなるために
子供なんかは掻いてしまう。

痒みがひどい時はステロイドの外用剤を使う。治りかけの1週間程度使うと良い。保湿剤と一緒に処方されるケースが多い。
水いぼは治りかけのときは増殖があまりないことが分かっているのでステロイドも安心して使えるのだ。

場合によっては、「摘除」することもある。摘除する場合は、リドカインテープ(ペンレステープ)を使う。
「伝染性軟属性腫摘除時の疼痛緩和」に対して保険適応がある。
1回に2枚まで。摘除する1時間前くらいに貼る。

※少ないがリドカインテープによるアナフィラキシーショックに注意
特にアトピー素因を持つ子の場合は気にすること

※アトピー性皮膚炎の場合は、アトピー性皮膚炎の治療にステロイド外用剤を使うと、時期によっては水いぼが増えてしまうので
アトピー性皮膚炎の治療がしにくくなるというデメリットに注意が必要である。

③生活上の注意点

・免疫を強くする
・皮膚のバリアと強くするためにスキンケアをする
→清潔にしたり、保湿するなど
→スイミングスクールに通っている場合、消毒として塩素が使われていることがある。塩素によって体の脂がとれて感染しやすくなるためプール後の保湿が大切である。

・水いぼが出来た子供の兄弟などは、タオルを別にする

④学校での水いぼ患者の対応について

統一見解が出されているので引用する。

学校感染症 第三種 その他の感染症:皮膚の学校感染症とプールに関する日本臨床皮膚科医会・日本小児皮膚科学会の統一見解

「プールの水ではうつりませんので、プールに入っても構いません。ただし、タオル、浮輪、ビート板などを介してうつることがありますから、これらを共用することはできるだけ避けて下さい。プールの後はシャワーで肌をきれいに洗いましょう。」

※一部注意が必要だが学校のプールはOK

学校感染症 第三種 その他の感染症:皮膚の学校感染症に関する統一見解

「幼児・小児によく生じ、放っておいても自然に治ることもありますが、それまでには長期間を要するため、周囲の小児に感染することを考慮して治療します。
プールなどの肌の触れ合う場ではタオルや水着、ビート板や浮き輪の共用を控えるなどの配慮が必要です。この疾患のために、学校を休む必要はありません。」

※水いぼでは学校は休まなくてよい!

参考資料
学校感染症 第三種 その他の感染症:皮膚の学校感染症とプールに関する
日本臨床皮膚科医会・日本小児皮膚科学会の統一見解
平成 25 年 5 月日本臨床皮膚科医会・日本小児皮膚科学会

学校感染症 第三種 その他の感染症:皮膚の学校感染症に関する統一見解平成22年7月日本臨床皮膚科医会・日本小児皮膚科学会・日本皮膚科学会・日本小児感染症学会