" />

循環器

イグザレルトと小児 適応について~リバーロキサバンのメリットを押さえよう~

スポンサーリンク

イグザレルトと小児 適応について~リバーロキサバンのメリットを押さえよう~
日本国内で初めて小児に対する適応が認められた非ビタミンK拮抗経口抗凝固剤(DOAC)であるリバーロキサバン(イグザレルト®)について簡単にまとめる。 

関連記事
リバーロキサバン(イグザレルト®)と腎機能

リバーロキサバン(イグザレルト®)と小児適応

リバーロキサバン(イグザレルト®)であれば、ワーファリン®と違いPT-INRなどの凝固系のモニタリングが不要なため、家族などの負担が軽減される。

小児に対する効能・効果

「静脈血栓塞栓症の治療及び再発抑制」

※開始する際の注意点
「小児では、本剤は急性期への適切な初期治療(ヘパリン投与等)が5日以上なされた後に投与すること。」

小児に対する用法・用量

30㎏以上であれば、成人と同じ量で飲み方であるが、

・体重2.6kg以上12kg未満の小児では1日3回
→細かい量が設定されているので添付文書参照のこと

・体重12kg以上30kg未満の小児では1日2回
→1回5mgで1日量として10mg服用する

※小児の細かい用量設定に対応するためにドライシロップが開発された

【イグザレルト®錠10mg、同錠15mg、同細粒分包10mg、同細粒分包15mg、同OD錠10mg、同OD錠15mg】

〈静脈血栓塞栓症の治療及び再発抑制〉

「小児:通常、体重30kg以上の小児にはリバーロキサバンとして15mgを1日1回食後に経口投与する。」

【イグザレルト®ドライシロップ小児用 51.7mg、同ドライシロップ小児用103.4mg】

「通常、体重2.6kg以上12kg未満の小児には下記の用量を1回量とし、1日3回経口投与する。体重12kg以上30kg未満の小児にはリバーロキサバンとして5mgを1日 2回、体重30kg以上の小児には15mgを1日1回経口投与する。いずれも空腹時を避けて投与し、1日1回、2回及び3回投与においては、それぞれ約24時間、約12時間及び約8時間おきに投与する。」

どんな小児に使われるのか?

静脈血栓塞栓症(VTE)はどんな小児に起こりやすいのか?

【静脈血栓塞栓症(VTE)について】

・脳内血栓症である大脳動脈血栓症や静脈洞血栓症
・中心静脈カテーテル関連血栓症
・血栓が肺に移動して詰まる肺血栓塞栓症(PE)
・深部静脈に血栓ができる深部静脈血栓症(DVT)
を含む

【リスクが高まる疾患】

・悪性腫瘍
・先天性心疾患
・重症感染症に罹患した場合

【リスク因子】

・長期臥床
・中心静脈カテーテル留置
・脱水

幅広い剤形

・イグザレルト®錠
・イグザレルト®細粒分包
・イグザレルト®OD錠
・イグザレルト®ドライシロップ小児用

用法及び用量に関連する注意にも詳しく記載されている
「体重30kg未満の小児等に投与する場合は、リバーロキサバンドライシロップを使用すること。体重30kg以上で本剤(錠剤)の服用が困難な小児には、本剤以外の剤形を選択すること」

※30㎏以上であれば、錠剤が無理であれば細粒やOD錠を考慮する
※加えて、リバーロキサバン(イグザレルト®)錠は粉砕、簡易懸濁可能である。

参考資料
イグザレルト®添付文書、インタビューフォーム
バイエル製薬 ニュースリリース 2021年1月22日
Male, C, et al, ‘Rivaroxaban compared with standard anticoagulants for the treatment of acute venous thromboembolism in children: a randomised, controlled, phase 3 trial’, The Lancet Haematology, 7.1 (2019), pp.18-27