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分子標的薬(チロシンキナーゼ阻害薬)の違い

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オシメルチニブ(タグリッソ®)や他のチロシンキナーゼ阻害薬の
ゲフィチニブ(イレッサ®)、
エルロチニブ(タルセバ®)、
アファチニブ(ジオトリフ®)の違いについて簡単にまとめる。

抗がん剤なんて出す機会少ないかな?と思っていたが、最近国立病院や大学病院からの患者が意外と・・・やはり少しずつ知識はつけていかねば・・・

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オシメルチニブ(タグリッソ®)について~特徴や副作用~

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分子標的薬(チロシンキナーゼ阻害薬)の違い

作用の違いについて

チロシンキナーゼ阻害剤は分子標的薬と言われる薬剤に分類される。
チロシンキナーゼ阻害剤には、色々な種類があり、整理する必要がある。

作用する「型」に差がある 。

従来のチロシンキナーゼ阻害剤(TKI)は、腫瘍細胞に存在する活性型EGFRだけでなく、 正常な野生型EGFRにも作用してしまうのだ。
オシメルチニブ(タグリッソ®)は、野生型にはあまり作用せず、腫瘍細胞に存在するEGFR活性型変異とEGFRT790M変異のシグナル伝達を阻害する



オシメルチニブ(タグリッソ®)は、他のチロシンキナーゼ阻害剤に比べて全体的な副作用が少ない。
T790変異のものにゲフィチニブ(イレッサ®)は効果がないが、
オシメルチニブ(タグリッソ®)は6割ほど奏功率がある。
しかし、オシメルチニブ(タグリッソ®)は、他のチロシンキナーゼ阻害剤より「間質性肺炎」の副作用が多い。

EGFR:上皮成長因子受容体(Epidermal Growth Factor Receptor)

【補足】

EGFR遺伝子変異陽性の肺腺がんに対する ゲフィチニブ(イレッサ®)、エルロチニブ(タルセバ®)、
アファチニブ(ジオトリフ®)の有効性に大きな差はない。
また、オシメルチニブ(タグリッソ®)はT790M耐性変異を有るものに有効である

エルロチニブ(タルセバ®)のみに「膵癌」の適応がある 
エルロチニブ(タルセバ®)はゲフィチニブ(イレッサ®)よりもEGFRに結合しやすく 「肺扁平上皮癌」にも有効である

規格の有無の違い

エルロチニブ(タルセバ®)とアファチニブ(ジオトリフ®)は、規格がいくつかある。
→用量調節可能(副作用の具合で調整可能)
※ゲフィチニブ(イレッサ®)は用量調節が出来ない

チロシンキナーゼとの結合性の違い

・アファチニブ(ジオトリフ®)は、「不可逆的」な結合する。
・ゲフィチニブ(イレッサ®)とエルロチニブ(タルセバ®)は「可逆的」な結合する。

用法の違い

・ゲフィチニブ(イレッサ®)は「食後」服用である。
・エルロチニブ(タルセバ®)とアファチニブ(ジオトリフ®)は「空腹時」服用である。

副作用の違い

主なチロシンキナーゼ阻害剤の副作用は、「皮膚障害」・「下痢」・「肝機能障害」だが、

エルロチニブ(タルセバ®)の方がゲフィチニブ(イレッサ®)より
「肝機能障害」の頻度は低く、「皮膚障害」や「下痢」の頻度は多い 。

アファチニブ(ジオトリフ®)の副作用は、
他のチロシンキナーゼ阻害薬と同じであるが 「下痢」の頻度が多い。
なんと・・・90%程度・・・

対策として、下痢止めのロペラミド(ロペミン®)を併用したりする 。

※オシメルチニブ(タグリッソ®)は、
他のチロシンキナーゼ阻害薬より「間質性肺炎」がの副作用が多いと言われている。

いなかの薬局で働く私でも服薬指導する機会が増えてきた。

副作用の特徴や一般的な使われ方は押さえておきたい

参考資料
各製品の添付文書
インタビューフォーム
アストラゼネカへのメーカー問い合わせ

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