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精神科

錐体外路障害 について考える(症状・対策)~ざっくりイメージを~

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錐体外路障害 について考える。

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錐体外路障害 (EPS)とは?

錐体外路障害(EPS:Extrapyramidal symptoms)
薬局でも非言語的な症状から情報を得る必要がある。
薬の副作用を発見し、医師に代替案を提案するのも薬剤師の仕事であるため
精神科の薬はEPSなどに気づけるとよいだろう。

症状

「振せん」、「手足が動かしづらい」、「痙攣」、「口、舌が勝手に動く」、
「 アカシジア(じっとしていられない)」など。
症状は様々である。

薬局でも手が震えていたり、しゃべっているときに口をもごもごしていたり、
舌が頻回に出る人がいる。
そういった人は、「錐体外路障害」の影響かもしれないので要注意 

オーラルジスキネジア:
上記のような口の症状は、抗精神病薬を長期に服用した際に起こりやすい。
数ヶ月から数年経って急に発現する。

ドパミン受容体(D2)占拠率との関係

ドパミン受容体遮断作用が関係している。
抗精神病薬がD2受容体の65%を占拠すると臨床効果を示し、
80%以上占拠してしまうと錐体外路障害(EPS)を発現する

具体例

三環系(トフラニール®、トリプタノール®)や制吐剤(プリンペラン®、ナウゼリン®)
は特に注意

EPS起こしにくいが、非定型のドパミン遮断作用(ざっくりと)

SDA(リスペリドン)>MARTA(クエチアピン、オランザピン)

この中では、クエチアピンは起こしにくい。
その他、スルピリドなども注意
もしも、「振せん」などを見たら薬剤的な影響がないか考えてみるのも大切である。

ドパミン遮断作用と錐体外路障害

人間の運動機能は、黒質線条体における
「ドパミン神経」と「コリン作動性神経」による
活性のバランス・平衡によって成り立っている。
コリン作動性神経(アセチルコリン):「興奮」
ドパミン神経(ドパミン):「抑制」
というイメージをしてほしい

(セロトニンも関わっていると言われているが)

ざっくり言うと・・・

抗精神病薬などでドパミン受容体が過剰に遮断されると 

ドパミンの活性が低下

アセチルコリンの活性が上がる
(アセチルコリンの遊離が抑制できなくなる)

「興奮」の信号が過剰に起きてしまい、「錐体外路障害」が起こる

対策

①抗精神病薬の多剤併用を止める。単剤化する
②用量を徐々に減量する
③他剤に変更する
④どうしようもないとき:抗コリン薬(抗パーキンソン病薬)
アセチルコリンが過剰に働いているので抗コリン作用で抑える。
アセチルコリン受容体を抑える(対症療法)

※抗コリン作用による他の副作用に注意が必要

参考資料
ジプレキサ®勉強会資料