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プロクロルペラジン(ノバミン®)について~オピオイドの悪心・嘔吐に対して使用される~

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プロクロルペラジン(ノバミン®)について~オピオイドの悪心・嘔吐に対して使用される~

オピオイドに対しての吐き気止めとしても用いられる。
中枢性のドパミン受容体遮断薬のノバミン®について簡単にまとめる。

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①オピオイドの悪心・嘔吐

吐き気は、オピオイド導入のときに30~50%程度起こる。
だいたい開始や増量の初日から3日以内に出現しやすい。
1~2週間で耐性が生じる(慣れる)ことが知られているが、
吐き気が起こると服薬アドヒアランスに影響してしまう。
治療の上で患者本人が、嫌になってしまうことがあるので対策が必要。

悪心・嘔吐が持続的であり、オピオイドの血中濃度依存的に出現する場合は、
オピオイドが原因だと考えられる

※オピオイドを開始したり、増量して1週間以上経っている場合
→オピオイド以外の原因が考えれる

※以前は、予防的に制吐薬を服用することがあったが、錐体外路障害などの副作用の問題があるため必ず必須というわけではない

オピオイドによる悪心・嘔吐の発現機序

・化学受容器引き金帯(CTZ)への刺激
・前庭に発現しているオピオイドμ受容体を刺激
・消化管への刺激→求心性迷走神経を介したCTZ刺激

今回取り上げるのは「CTZ」が関わる悪心・嘔吐への対策である。

補足:CTZとは?chemoreceptor trigger zone

②化学受容器引き金帯(CTZ)への刺激による吐き気について

オピオイドは、
延髄の第四脳室底にあるCTZに多く分布しているオピオイドμ受容体を刺激

ドパミン遊離される

ドパミンD2受容体を活性化する

悪心・嘔吐を引き起こす

オピオイドによる嘔気・嘔吐はこの受容体刺激
により引き起こされることが最も多いと考えられている。

そのため、
中枢に直接作用する「抗ドパミン薬」が制吐薬の第一選択となる。

②プロクロルペラジン(ノバミン®)について

添付文書上の効能・効果

「統合失調症,術前・術後等の悪心・嘔吐」

※つまり、オピオイドの吐き気への使用は、適応外使用ということになる。

作用機序

延髄にある化学受容体引き金帯(chemoreceptor trigger zone:CTZ)に存在するドパミン受容体を遮断し制吐作用を示す

特徴

・1 時間で作用が最大となり、4 ~ 5 時間持続する
・治療初期に起立性低血圧に注意する
・鎮静作用は弱い
・錐体外路障害は注意する必要があるが頻度は低い
・1日中持続するタイプの吐き気に使いやすい
・統合失調症以外の使用の場合、特定薬剤管理指導加算の算定は出来ない
・放射線治療時の吐き気・嘔気にも効果がある
・抗がん剤を使用する際に制吐薬の予防投与を行ったのに発現する場合の吐き気に使われる

主な副作用

振戦、無動、筋固縮、アカシジア、ジスキネジアなど

ドパミンD2受容体と錐体外路障害についてはこちらを参照

参考資料
ノバミン®添付文書、インタビューフォーム