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伝染性膿痂疹(とびひ)について~原因菌や治療薬~

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伝染性膿痂疹(とびひ)について~原因菌や治療薬~

伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)について簡単に整理する。
原因菌による分類と使用頻度が高い薬剤についてまとめる。
日常生活で何に気を付ければいいかを最後に載せている。

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①伝染性膿痂疹とは?

虫刺され、汗疹(あせも)、怪我などから二次感染として発症する皮膚疾患である。
引っ掻いたりした場合に、皮膚から菌が侵入、増殖することで水泡をつくる。
水泡が破れると周辺に病巣が広がっていく特徴がある。
火事の際の火の粉が飛び散る様子に似ている?ことから俗に「とびひ」と言われている。

「虫刺され」がきっかけとなることがから夏場に多い。
また、我慢できない乳幼児や小児がなりやすい。

※暖房器具が一般的の現在は、冬場も起こるので注意

原因菌と菌による分類

原因菌としては、溶連菌や黄色ブドウ球菌が多い。

溶連菌(A群β溶血性連鎖球菌)→痂皮性膿痂疹(水泡が出来なくてカサブタが厚くなるタイプ)
黄色ブドウ球菌→水疱性膿痂疹(水泡が出来て皮がむけるタイプ)

※ほとんどの場合2種類の菌が混在している。
※黄色ブドウ球菌が出す表皮剥脱毒素(exfoliative toxin、ET)という毒素が皮膚の構造を侵害することで水泡となる。

※現在は、黄色ブドウ球菌のほとんどがペニシリン系抗菌薬(βラクタム系)が効きにくいMRSAである。
MRSA:methicillin resistant Staphylococcus aureus(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)
→そのため、治療薬が特徴的だったりする。

②治療薬

耐性が少なくブドウ球菌に対して治療効果が高い
ホスホマイシン(ホスミシン®)がよく用いられる。
ホスホマイシンは、細胞壁合成の初期段階を阻害する。

ざっくりとした作用機序
細胞壁を合成するための物質ホスホエノールピルビン酸の類似物質

菌が間違えて能動的に取り込む

細胞壁前駆物質合成に働くUDP-GlcNAc-ホスホエノールピルビン酸転移酵素に対して、活性中心のシステイン残基に不可逆的に結合

酵素を不活化させる

細菌の細胞壁を初期段階で阻害

ホスミシン®以外に用いられる薬剤

・セフェム系:
セファレキシン(ケフレックス®)、セフジニル(セフゾン®)
・ペネム系:ファロペネム(ファロム®)
・マクロライド系:アジスロマイシン(ジスロマック®)
・テトラサイクリン系:ミノサイクリン(ミノサイクリン®)、
・ST合剤:バクトラミン®配合錠
など

※ホスミシン®とセフゾン®を併用することもある

外用剤

フシジン酸ナトリウム(フシジンレオ®軟膏)
ゲンタマイシン軟膏(ゲンタシン®軟膏)
ナジフロキサシン(アクアチム®軟膏)
などを用いる

③生活面での対策

とにかく清潔に保つことが大切
黄色ブドウ球菌は常在菌なので特に「指」に注意する。
あちこち触るとどんどん悪くなってしまう・・・

・手洗いをしっかり行う
・爪を短く切る(搔きキズが原因となるため)
・鼻に指を入れない(子供は突っ込むので・・・)
・家族がいる場合は最後に入浴する
・お風呂に浸からず、シャワーの方がよい