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イノラス®の特徴について~他の経腸栄養剤との違い~

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イノラス®の特徴について~他の経腸栄養剤との違い~

名前の由来
Enteral Nutrition + Oral Nutritional Supplements
ONS(経口的栄養補給)にも適した経腸栄養剤
それぞれの頭文字をとってイノラス®ENORAS

アルミパウチの製剤であるため、缶に入っている栄養剤より
廃棄の負担が少ない。
※意外と大切→施設だと缶のゴミの量がすごいことになる。

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①カロリーが高い

1mlあたりのカロリーが高い。
高濃度(1.6kcal/mL)の半消化態経腸栄養剤である。
1パウチで300kcal摂取することができる。
※ラコールNF場合は1kcal/mlなので300kcal摂取するためには300ml必要
→イノラス®は187.5mlで済むため量が少ない。

※量が少ないので投与時間が短く済む。
施設においても栄養剤を与える時間が負担になったりしている。

②微量元素を多く含む

1パウチ300kcalの投与で
1日に必要なビタミン・微量元素の約1/3摂ることができる。
3パウチで1日分の量をまかなえる。
個人的にこれが良いと思う点である。

従来のものは、1日のカロリー摂取を約1600kcalを目標に設計されており、
1600kcalぐらい摂らないとビタミンや微量元素も1日分取れないのだ。

ラコール®NF経腸溶用液であれば400mlを4パウチ
ラコール®NF配合経腸用半固形剤であれば300gを5~6バッグ必要
これが、イノラス®なら3パウチでOK

※ヨウ素が配合されているものは、今までの栄養剤には入っていなかった。
他にもセレン、カルニチンを含む。


※ビタミンKについてはワーファリン®と相互作用もあるため
どの経腸栄養剤もあまり量が入っていない。

※イノラス®の例ではないが、経腸栄養剤を出した場合
PT-INRが微妙に変わってしまいワーファリン®の量の調節が
必要となる例を多く目にする。
ワーファリン®の量で0.25mgから0.5mgぐらい変わるイメージ

補足:ヨウ素が入っている理由

重症心身障害児(者)は、ずっと経管栄養を必要とするため、
栄養素のヨウ素が欠乏してしまうことが多い。
イノラス®の開発にあたり日本小児内分泌学会の方から「ヨウ素」を
入れて欲しいと連絡があったらしい。
(メーカー問い合わせより)

③たんぱく質を多く含む

1パウチ300kcalあたり、たんぱく質量を12gとしている。
日本人の食事摂取基準目標値(2015年度)を参考に
たんぱく質16%
脂質29%
糖質55%
含んでいる。
mlあたりのたんぱく質量は多い。
12g/187.5ml

他の栄養剤のたんぱく質量について

エンシュア®8.8g/250ml
エンシュア®H13.2g/250ml
ラコール®NF配合経腸用液8.76g/200ml
ラコール®配合経腸用半固形剤13.14g/300g
エネーボ®13.5g/250ml

おまけ:フレーバーについて

イノラス®配合経腸栄養剤で用意されているのは、
リンゴ味とヨーグルト味
加齢に伴う味覚の変化は、高齢者になると味蕾の総数が落ちてくる。
その中でも「酸味」に関しては比較的感じやすい。
今までの栄養剤は、「甘味」に頼ってきた。
しかし、「酸味」を意識した設計となっている。
味覚が落ちてきている人にも分かりやすいように設計されている 。

参考資料
エンシュア®、エンシュア®H添付文書
エネーボ®添付文書
ラコール®経腸溶用液添付文書インタビューフォーム
ラコール®経腸溶用半固形剤添付文書インタビューフォーム
イノラス®添付文書インタビューフォーム

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