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ラコールNF配合経腸用半固形剤 の特徴と半固形用加圧バッグについて

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ラコールNF配合経腸用半固形剤 の特徴と半固形用加圧バッグについて触れる。
加圧バックは場合によってとても便利なので服薬指導の時に紹介して欲しい。

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①ラコールNF配合経腸用半固形剤 の特徴

効能効果

「一般に、手術後患者の栄養保持に用いることができるが、特に長期にわたり、経口的食事摂取が困難な場合の経管栄養補給に使用する。」

※基本的に胃瘻の経口摂取が不可能な方向けの製剤である。
経口の場合は、保険適応外なので疑義照会はしておくこと

用法・用量

「通常、成人標準量として1日1,200~2,000g(1,200~2,000kcal)を胃瘻より胃内に1日数回に分けて投与する。投与時間は100g当たり2~3分(300g当たり6~9分)とし、1回の最大投与量は600gとする。また、初めて投与する場合は、投与後によく観察を行い臨床症状に注意しながら増量して数日で標準量に達するよう
にする。なお、年齢、体重、症状により投与量、投与時間を適宜増減する。」

※1回の投与量は600gまでなので2パック。

半固形のメリット

半固形状の経腸栄養剤を投与することで、
胃の持っている貯留と排出という生理的な機能を発揮することを目的としている。
液状の経腸栄養剤では見られる誤嚥性肺炎や下痢を予防できる言われている。

ちなみにラコールNF半固形剤は日本で初めての半固形剤である。

その他の特徴

・牛乳たん白アレルギーのある患者に禁忌
・ビタミンKを含むためワーファリンの効果を下げる可能性がある。
→薬局で経験上、ワーファリン0.5mgの半錠分くらい変動するケースがある

・ラコールNF経腸用液と摂取エネルギー当たりの有効成分及び含量は同じ
・チューブを衛生的に保つため投与後は水でフラッシュする必要がある
・投与間隔は2時間以上あけること
・もしも温める場合は湯煎ならOK
※未開封のまま湯煎(40℃以下)にて 10 分程度(人肌程度になる時間)で行う必要

②半固形栄養剤用加圧バッグ

半固形剤は、液剤と違い少し抵抗がある。
そのため、胃瘻から投与する際、腹圧の関係もあってなかなか入らない。
介護者や家族が苦労するという意見があった。
以前はニプロ社の加圧バッグを使っていたが、現在は、大塚製薬から専用の加圧バッグが発売されている。
加圧バッグを使うことで、「半固形剤の入りにくいストレス」と「両手が空く」という時間を手に入れることが出来るのでおススメである。
値段は、薬局によっても違うが、6000円から7000円程度である。

ポイント・注意点

・加圧バッグを使うと10分くらいで投与が完了する。
用法・用量に記載されているスピードに近い。

・加圧バッグを使うと最後に10gくらい残ってしまう。
→最後まで入れるには・・・
くるくる巻いて入れるしかないが、腹圧が掛かっているので
無理に巻いて介護者が怪我しないように気を付ける必要がある。
(医師によっては、負担を考えて「最後まで無理に入れなくてよい」という指示を出すことがある。確認しておくと良い)

・元々、ラコール®NF配合経腸用半固形剤は、水分が普通の医療用の栄養剤より
10%程少なくなっている。だいたい水分量が76%くらい。
そのため、水分補給の意味も加えて水でフラッシングするとよい。
病態や個人によるが50mlから100mlくらいで行うのが、
メーカーからはおススメとのこと。

・開封後の保存
時々、1回の使用が0.5パックとか1.5パックとかいう指示がである。
その時は、半分になった製品をどうしたらよいか分からなくなる。
メーカーとしては24時間以内に使用することを勧めているとのこと。
室温保存でも冷所保存でもOK。
夏場は菌の繁殖を抑えるため冷所保存の方が良い。

おまけ:栄養剤とナトリウム

医療用の栄養剤は、基本的にナトリウムの量が抑えれれている。
理由は、病態によってナトリウムが入りすぎていると困ることもあるので
少なくすることで足せる状態にしてあるとのこと。
ナトリウム量73.8g/100kcal

参考資料
ラコールNF配合経腸用半固形、添付文書、インタビューフォーム
大塚製薬メーカー問い合わせ
大塚製薬勉強会
合田文則:胃瘻からの半固形短時間摂取法ガイドブック-胃瘻患者の QOL 向上を目指して-,医歯薬出版 2006;9-18