" />

精神科

ロゼレム (ラメルテオン)の特徴(メラトニン受容体、作用機序)について~ざっくりと~

スポンサーリンク

ロゼレム (ラメルテオン)の特徴(メラトニン受容体、作用機序)について簡単に整理する。
とにかくポイントは「特徴」のところにまとめた
服薬指導などのヒントにしてもらえると嬉しい

関連記事
ラメルテオン(ロゼレム®)は食後ではダメなのか? 

メラトベル (メラトニン)顆粒小児用について~今後追記予定~

①メラトニンとメラトニン受容体について

メラトニンは体内で日中に低く、夜間に高い。

メラトニン受容体はMT1とMT2がある。

MT1→入眠作用(体温を低下させ、睡眠の準備をする)
MT2→生体リズムの調整(体内時計の補正に関わっている)

睡眠-覚醒リズムなどの概日リズムを調整する。

睡眠とメラトニンについて

メラトニンの分泌により眠気を生じる。

起床後14~16時間後に松果体からメラトニン分泌される



手足の先からの放熱 ↑



それから1~2時間後に自然な眠気が生じる。
つまり、起床後17時間後くらいに眠くなる。

※視床下部において、メラトニンは 視交叉上核に存在し、
メラトニン受容体に作用する。

※ メラトニンは体内で日中に低く、夜間に高い。

②ロゼレム (ラメルテオン)の作用機序

「視床下部で、視交叉上核にあるメラトニン受容体に作用する」

→メラトニン受容体を刺激することで睡眠中枢を活性化する。
※MT1とMT2の両方に作用する。

※インタビューフォームの記載

「睡眠中枢を優位に導くことで睡眠を誘発し、
副交感 神経を優位に保つことにより自律神経を抑制する。
このように、メラトニンによる催眠作用は覚醒中枢の抑制によるものではなく、
視交叉上核を介して間接的に睡眠中枢を賦活、すな わち、覚醒中枢と睡眠中枢の優位性を変化させることによるものであると考えられている。」



体内時計機構に働きかけて睡眠覚醒リズムの乱れを徐々に改善するため、
個人差は認められるものの効果が現れるまでに日数がかかることがある。

そのため、添付文書にて下記のような記載がある。

「本剤の投与開始2週間後を目処に入眠困難に対する有効性を評価し、有効性が認められない場合には、投与中止を考慮し、漫然と投与しないこと」 

③ロゼレム の特徴について

箇条書きで申し訳ないが、整理しておくと便利

・抗不安作用がない
・薬への執着が少なく、習慣性がほとんどない
・中途覚醒しても再入眠可能
・認知機能に影響しない
・筋弛緩作用なし
・持ち越しや反跳性不眠がない
・呼吸抑制がない
・慢性閉塞性肺疾患(COPD)にも使いやすい
・透析患者や腎機能低下者において用量調節不要
・食後では効果が減弱するので注意

※高齢者ではメラトニンの分泌が減っているため
理論上は非常に有効的な薬。

④併用禁忌薬

フルボキサミン(デプロメール®、ルボックス®)

→ラメルテオンの効果が強く出る可能性があるので禁忌となっている

→併用薬として可能性があるので注意が必要である。

「健康成人(23 例)を対象に、ラメルテオン8mg をフルボキサミン(CYP1A2 阻害剤)1 日1 回 200mg の7 日間反復経口投与の7 日目に併用投与したとき、単独投与時と比較してCmax 及び AUC0 − inf は未変化体でそれぞれ約2,700 及び8,200 %増加し、M −Ⅱでそれぞれ約66 %減少、 31 %増加した。一方、フルボキサミンの薬物動態には併用による影響は認められなかった。」

※M −Ⅱは代謝物である。

参考資料
ロゼレム®添付文書、インタビューフォーム