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ペマフィブラート(パルモディア®)の特徴と他のフィブラート系との違いについて~ざっくりと~
①リファンピシンとCYP
薬物相互作用を考える前に前提となるのが、
CYP3A4,CYP2C9,CYP2C19を誘導
→他の薬剤の代謝を促進させ、その薬効を減弱させる可能性がある。
②併用禁忌の薬剤の一部
リファンピシンとペマフィブラート(パルモディア®)
ペマフィブラートの血中濃度が上昇するおそれがある。
本剤が有機アニオントランスポーター
(OATP1B1及びOATP1B3)を阻害すると考えられている。
リファンピシン:海外の臨床試験において、
「併用単回投与により本剤の血漿中濃度が著しく上昇した。
(Cmaxで約9.4倍、AUCで約10.9倍)ことから設定した。
これはリファンピシンのトランスポーターの阻害作用によると考えられる。
なお、リファンピシンを反復投与後に本剤を単独投与したところ、
本剤の血漿中濃度の低下(Cmaxで約0.4倍、AUCで約0.2倍)が認められた。
これは、リファンピシンのCYP誘導作用により、
本剤の代謝が亢進したためと考えられる。」
リファンピシンとアメナリーフ
③リファンピシンとワーファリン
リファンピシンとワーファリンを併用した場合
↓
リファンピシンがワーファリンの代謝を促進する
↓
ワーファリンの抗凝血作用は減弱する。
※リファンピシン併用開始後5~10日目で最大となるとの報告が多い
※Warfarin適正使用情報では1週間以内の記載あり
↓
ワーファリン投与量を2~3倍に増量する必要がある
↓
リファンピシン中止後、
ワーファリンの作用は1週間以内で回復する傾向があるとのこと
④リファンピシンとステロイド
リファンピシンは
CYP3A4をはじめとする肝薬物代謝酵素・P糖タンパク質を誘導
(フェニトイン・フェノバルビタールも同じ)
↓
ステロイドの代謝を誘導してしまう
※プレドニゾロンであれば約30~50%の代謝への影響を考慮しないといけない
↓
ステロイド抵抗性となる
↓
「増量」か「別剤への変更」を考慮する必要がある
ステロイドによる違い(代謝から考える)
ポイントは、CYP3A4は「6位の水酸化」を触媒している。
ステロイドの構造を載せたいのですが・・・ 現状なしですいません
各ステロイド製剤の代謝の違いは
↓
・デキサメタゾン(デカドロン®) 6位の水酸化
・プレドニゾロン(プレドニン®)6位の水酸化と20位還元
・ヒドロコルチゾン(コートリル®) A環還元と20位還元
※そのため、影響の大きさは、6位の水酸化に注目すると
デキサメタゾン>プレドニゾロン>ヒドロコルチゾン
増量の目安や対策
増量の目安は下記
デキサメタゾンは5倍
プレドニゾロンは2倍
ヒドロコルチゾンは1.2倍
デキサメタゾンの量はあまりに多くなるので
プレドニゾロンに変更したりするとよい。
ヒドロコルチゾンは増量しすぎると ミネラルコルチコイド作用が強いので注意!
参考文献
リファジンカプセル 添付文書・インタビューフォーム
ワルファリンとリファンピシン併用患者のカルテ調査による相互作用の検討
和田恭一 etc医療薬学 Vol.28, No.1 (2002) p85
Warfarin適正使用情報 第3版 エーザイ株式会社p437
ステロイド薬の選び方使い方 川合眞一 2009 アレルギ-58 p7-12