補足:用語説明
ペルオキシソーム増殖剤活性化レセプター α(PPARα)
選択的PPARαモジュレーター(SPPARMα)
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①薬理作用について
高活性かつ選択的なPPARαモジュレーターである。
遺伝子発現を制御する核内受容体PPARαを
高い選択性により非常に低用量から活性化する
主に肝臓の脂質代謝を改善する。
血中の中性脂肪(トリグリセライド:TG)低下作用、
HDL-コレステロール増加作用等を有する。
補足(用語説明) :
ペルオキシソーム増殖剤活性化レセプター α(PPARα)とは?
PPARα(Peroxisome Proliferator-Activated Receptor α)は、
ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体の1つである。
PPARsとしは、3種類のサブタイプが確認されている。
今回注目するのは「α」
肝臓や褐色脂肪、心臓、腎臓で強く発現している核内受容体(タンパク質)で、
活性化することで血中TG濃度の低下などを導く 。
※脂肪酸の利用度の高い組織において多く発現している。
選択的PPARαモジュレーター(SPPARMα)
SPPARMα (Selective Peroxisome Proliferator-Activated Receptor α Modulator: SPPARMα, スパームアルファ)は、
PPARαを介した遺伝子の転写調節を選択的に行うことにより、従来のPPARαアゴニストのベネフィットを高め、リスクを軽減することを目指した薬剤のこと
(追記)
通常、PPARαを活性化すると脂質改善作用を示したり、肝機能や腎機能の検査値 に影響を与える。選択的PPARαモジュレーター(SPPARMα)は、
脂質代謝への効果を選択的に高め、その他の影響を少なくしている薬剤である。
②特徴について
効果面
1日2回服用というデメリットがある反面、
ペマフィブラート(パルモディア®)の方がフェノフィブラート(リピディル®)
より効果があるというデータがある。
※TG低下作用
ペマフィブラート(パルモディア®)0.2mg/日群 TG変化率-46.2%
フェノフィブラート(リピディル®)106.6mg/日群 TG変化率-39.7%
※HDL-コレステロール増加作用に有意差はない。
副作用
※副作用は従来のものより少ない可能性あり
フェノフィブラートとの比較検証試験(P3)での副作用発現率は、
ペマフィブラート群が2.7%、フェノフィブラート群が23.7%だった。
(あくまで比較試験上・・・)
※承認時までに実施された臨床試験において、副作用発現率は、
1,418例中206例(14.5%)
→発現率などの「%」は非常に難しい。
メーカーも都合のいい部分を切り取るので現場としは判断が難しい・・・
※肝機能に関する副作用が少ない。
※ペマフィブラートにおけるよくある副作用
「胆石症」、「糖尿病悪化HbA1c上昇」、「CK上昇」
代謝
肝代謝であり、胆汁排泄型
73.3%は胆汁から排泄される。
注意点
※横紋筋融解症について
他のフィブラート系よりも横紋筋融解症のリスクが少ないという
エビデンスが乏しい。
しかし、承認時までの国内臨床試験(合計1,418例)において、「横紋筋融解症」の副作用は報告されていない。
「原則禁忌」だったが削除(H30年10月16日改訂)
→重要な基本的注意(6)へ
「腎機能に関する臨床検査値に異常が認められる患者に、 本剤と HMG-CoA 還元酵素阻害薬を併用する場合には、 治療上やむを得ないと判断される場合にのみ併用すること。急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれやすい。やむを得ず併用する場合には、 本剤を少量から投与開始するとともに、定期的に腎機能検査等を実施し、 自覚症状(筋肉痛、脱力感)の発現、CK(CPK)上昇、 血中及び尿中ミオグロビン上昇並びに 血清クレアチニン上昇等の 腎機能の悪化を認めた場合は直ちに投与を中止すること。」
※血清クレアチニン値が2.5mg/dL以上又はクレアチニンクリアランスが40mL/min未満の腎機能障害のある患者には禁忌
※各種スタチン系との併用で双方の血中濃度に変化はない
※効能効果に関連する使用上の注意
「LDLコレステロールのみが高い高脂血症に対し、第一選択薬としないこと」
構造式の面
フィブリン酸(フィブラート系共通の構造)
に加えて、フェノキシアルキル基と2-アミノベンゾキサゾール基の平たい構造
を含めた部分がPPARαのリガンド結合ポケットにフィットする。
そのおかげで、PPARαの活性化・選択性を高めている
おまけ
一包化・粉砕可能
参考資料
パルモディア®添付文書・インタビューフォーム
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