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薬物動態・相互作用

インバースアゴニストとニュートラルアンタゴニストの違い

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インバースアゴニストとニュートラルアンタゴニストの違い について整理する。
ポイント:
アンタゴニストの中に種類がある。
インバースアゴニストの方が抑制が強い.
ここ10数年くらいでアンタゴニストが細分化されている。
それが「インバースアゴニスト」と「ニュートラルアンタゴニスト」である。
インバースというのは「逆」という意味。
「インバースアゴニスト」は、アゴニストの「逆」という解釈

①G蛋白共役型の受容体とtwo-state receptor model

受容体は多岐にわたりたくさんの種類がある。
その中で「G蛋白共役型の受容体」に今回は注目する。

多くのG蛋白共役型の受容体が、
アゴニストの非存在下で一定の活性があることが分かっている。
(難しい用語でconstitutive activaty)

1つの説(two-state receptor model)では、
受容体はある状態のものだけがそこに存在しているのではなく、
「活性型のもの」と「不活性型のもの」が平衡状態にあるとのこと。
つまり、「活性型」の割合が高いほど基礎活性が高い。

②インバースアゴニストとニュートラルアンタゴニスト

・インバースアゴニストは平衡を「不活性型」の方にシフトさせる。
・ ニュートラルアンタゴニストは平衡に影響を与えないもの
(受容体に単に蓋をするイメージ)



では・・・アゴニストは?



アゴニストは、結合して「活性型」の方へシフトさせる。

※ニュートラルアンタゴニストは、
インバースアゴニストとアゴニストの作用をどちらも抑制する。
受容体に蓋をするだけのイメージなので、どちらの結合も邪魔するのである。

その結果
細胞シグナルレベルでは、
アゴニスト→増強
ニュートラルアンタゴニスト→不変
インバースアゴニスト→減少

イメージをざっくりグラフにすると下記のような感じ

インバースアゴニストとニュートラルアンタゴニストの違い

受容体遺伝子の発現量にも影響する

インバースアゴニストとニュートラルアンタゴニストの違い

インバースアゴニストの例

・抗アレルギー薬
エピナスチン(アレジオン®)
→アレジオン点眼液の効果が高い理由

・アンジオテンシンⅡ受容体遮断薬
(angiotensin Ⅱ receptor blocker:ARB)

オルメサルタン(オルメテック®)
イルベタン(アバプロ®)
カンデサルタン(ブロプレス®)
バルサルタン(ディオバン®) など

参考資料
参天製薬アレジオン点眼液0.05%の薬理作用 市販後調査 2014/05
インバースアゴニストとニュートラルアンタゴニストの相互作用,
臨床薬理, Jpn J clin pharmacol 33(2) Mar 2002