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リルゾール錠(リルテック®)の食前服用の理由について~特徴と副作用もざっくりと~

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リルゾール錠(リルテック®)の飲み方について解説する。
リルテック®は食前でないとダメか?という質問を受けたが
どうもボリュームがなかったので副作用について
ダラダラと載せてしまった。

リルゾール錠(リルテック®)の食前服用の理由について

可能であれば吸収の面から食前服用した方が良い

①食前服用の理由

高脂肪食による影響があり、高脂肪食による吸収低下がある。

AUC  17.5%低下
Cmax  44%低下

つまり、効果が2割ほど落ちてしまい 血中濃度の立ち上がりも遅いため
「食前」の服用が大切である。

※「食前」服用は食事の30分前

②その他の特徴について

・世界で初めての筋萎縮性側索硬化症(ALS)の適応症を有する薬剤
・グルタミン酸による興奮毒性を抑え、神経細胞保護作用を有する薬剤
・ALS の病勢進展を抑制する薬剤で、症状の軽減、改善は認められていない。

③副作用について

「無力感」、「悪心」、「めまい」などが多く
頻度は少ないが 「無顆粒症候群」、「肝機能障害」に気をつける 。

また、検査値にも注意する必要がある。
再審査報告書より引用すると

「安全性解析対象除外例345 例から本剤未投与症例31例を除いた314 例における副作用発現率は18.5%(58/314例)であった。
器官別大分類別における主な副作用及び副作用 発現率は、
臨床検査12.1%(38 例)、胃腸障害4.8%(15 例)で、
発現した主な副作用の種類は、ALT 増加22 件、AST 増加20 件、
γ-GTP 増加及び赤血球数減少各9 件であり、安全性解析対象症 例と同様な傾向であった。」

→ALT、AST、γ-GTPの上昇に注意する。

※重篤は肝機能障害は禁忌となっている。
※重症度が高くなるにつれて副作用の発現率が上がる
※意外にも高齢者(65歳以上)と非高齢者の副作用発現率の差はない
※肝機能障害にばかりスポットが当たっている。ちなみに腎機能障害の有無では
副作用の偏りもなく差はない。

補足(第Ⅲ相試験より)

赤血球数の減少がみられることがあるので、
投与前及び投与中は赤血球数を測定することが望まれている。
「赤血球減少15例(15.3%)、ヘモグロビン減少14例(14.3%)、
ヘマトクリット値減少11例(11.2%)」

④罹患期間と副作用

「罹病期間が「1 年未満」、「1 年~2 年未満」、「2 年~3 年未満」、「3 年~5 年未満」及び「5 年以上」症例における副作用発現率は、それぞれ23.3%(143/613 例)、27.8%(166/597 例)、28.3%(70/247 例)、31.4%(79/252 例)及び38.4%(93/242 例)であり、罹病期間が長くなるに従って副作用発 現率が高くなる傾向が認められた」

つまり、検査値などのフォローも継続してチェックする必要がある。

参考資料
リルテック®添付文書、インタビューフォーム
リルテック®再審査報告書