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カルバゾクロム(アドナ®)とトラネキサム酸(トランサミン®)について~止血作用に注目~

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カルバゾクロム(アドナ®)とトラネキサム酸(トランサミン®)について~止血作用に注目~

昔からある薬だが比較というか並べることで
覚えやすいと思うので2つのテーマを簡単にまとめたいと思う

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①カルバゾクロム(アドナ®)

ちなみに、トランサミン酸に比べてエビデンスという意味では非常に少ない。
論文自体が古いため効果に疑問視する医師も多い。
アドレナリンを酸化したアドレノクロムを化学的に安定化したものがカルバゾクロムである。

薬理作用

インタビューフォームにもあるが、詳しい薬理作用は分かっていない。
基礎実験に基づいた薬理作用は、「微小循環系の血管透過性抑制」と「血管抵抗性の増強」である

・血管透過性の抑制

組織のプラスミノーゲン活性化因子を減らす

毛細血管透過性を減少させる
※凝固系、線溶系に影響を与えないがのポイント

出血時間を短縮し、止血作用を示す
(と考えらえれている)

その他の特徴

・橙黄色がかった着色尿があらわれことがある
・副作用がほとんどない(敢えて言えば、食欲不振)
・凝固系、線溶系に影響を与えない
※ワーファリンやDOACと言った心房細動の薬と併用上問題はない

②トラネキサム酸(トランサミン®)

カルバゾクロム(アドナ®)よりはエビデンスは多い。

薬理作用

簡単に言うと「抗プラスミン剤」である。

フィブリンに拮抗してプラスミノーゲンに結合

プラスミノーゲンの活性化を阻害

フィブリンの分解による出血を抑制
※プラスミン自体にも作用する

プラスミンは、血栓を溶かす作用があるので・・・
これを阻害することで血栓が溶けにくくなり、止血作用を強める。

※トラネキサム酸は手術における輸血の必要量を減らしたり、消化管出血や外傷の死亡率を下げる報告がある

注意点

血栓が致命的な人は注意が必要である。

添付文書にも以下の記載がある。

※「血栓のある患者(脳血栓、心筋梗塞、血栓性静脈炎等)及び血栓症があらわれるおそれのある患者」

※「術後の臥床状態にある患者及び圧迫止血の処置を受けている患者[静脈血栓を生じやすい状態であり、本剤投与により血栓を安定化するおそれがある。離床、圧迫解除に伴い肺塞栓症を発症した例が報告されている。]」

例えば、
血尿に対してトラネキサム酸を使うと血の塊が溶けにくくなり尿路結石を起こすことがあるので注意が必要。

出血傾向を示しているDICの人に使うと血栓をより作ってしまう可能性もある。
そのため、ヘパリンと併用される。

参考資料
アドナ®添付文書、インタビューフォーム
トランサミン®添付文書、インタビューフォーム

Henry DA, Carless PA, Moxey AJ, et al. Anti-fibrinolytic use for minimising perioperative allogeneic blood transfusion. Cochrane Database Syst Rev 2011 19;(1) CD001886

Bennett C, Klingenberg SL Langholz E, et al. Tranexamic acid for upper gastrointestinal bleeding. Cochrane Database syst Rev 2014 21;(11): CD006640.

Ker K, Roberts I, Shakur H, et al. Antifibrinolytic drugs for acute traumatic injury. Cochrane Database Syst Rev 2015 9;(5) : CD004896