①カリメート®、ポリスチレンスルホン酸Ca経口ゼリー、ケイキサレート®の違いについて
2つの交換樹脂の違いは、カリウム(K)吸着時に放出されるイオンの違いである。
アーガメイト®ゼリー、カリメート®はCaイオンが放出されるのに対して
ケイキサレート®はNaイオンが放出される。
上記2つのカリウム吸着剤は「便秘」の副作用が多い。
しかし、ケイキサレート®はNaを放出するため、
Naイオンが塩類下剤のような働きをし、浸透圧により便に水分を含ませ、
軟便化を引き起こす。 つまり、副作用は「下痢」の方が多い。
ただし、交換樹脂なので「便秘」も引き起こすこともある。
ケイキサレート®の下痢と便秘の頻度
「1236例中108例(8.7%)に副作用が認められ、その 主な症状は下痢39件(3.2%)、悪心35件(2.8%)、浮腫25件(2.0%)、便秘23件(1.9%)、低カルシウム血 症21件(1.7%)、嘔吐20件(1.6%)などであった。(承 認時及び1975年2月までの副作用調査)」
「便秘」の副作用もあるが、やはり「下痢」の方が頻度は多い
②カリメート®散を水に溶かさずに服用してはいけない理由は ?
ポイント→ 水に溶かす理由は2つある!!
水に溶かさずに服用すると「薬効低下」、「副作用発現」が起こる
(1)水で懸濁せず粉のまま服用するとダマになり、分散せず吸収が悪くなることでカリウム交換効率が低下し、便秘の原因にもなります。
(2)カリメート®は乾燥しており、水なしで服用すると湿潤熱が生じる。
実際にそのまま服用すると熱でびっくりする患者もいる。
そのため、カリメート®を水30mlに懸濁して服用しますが、 水30mlを加えた時にも約4.7℃上昇する。
ポリスチレンスルホン酸Ca経口ゼリー(アーガメイト®)が内服しにくい場合の対応について~冷やす?味変?~
フレーバーはあるがどうしても内服しにくいアーガメイト®ゼリー・・・
味が悪いためコンプライアンスやアドヒアランスが悪い薬剤である。
本当に悪いですよね・・・
ただ、飲めているか確認し、飲んでもらえるように努力せねばならない・・・
対策
(1)室温保存なので冷所保存を行う。
冷やすことで内服しやすくなる方もいる。
※室温保存:1~30℃、冷所保存1~15℃
※凍らせることについて 凍らせると食べやすいという方がいるが・・・どうなのか?
一応、「解凍品」と「室温保存したもの」の比較試験をメーカーはやっており、
薬効は変わりないかもしれないが食感が変わるとのこと
↓
一度凍らせて溶かしたものの試験なので、 凍ったまま食べたらどうなるかは不明、
メーカーとしてもオススメできないとのこと。
カリウムと交換される時にしっかり体の中で溶けて、 薬効を発揮するか分からないので微妙かもしれない
(2)1口ずつ、なるべく噛まずに内服する
噛むことで樹脂が口の中に広がりザラザラ感が増して、気持ち悪いので
なるべく噛まないことが大切
(3)カリウムが低いもので味を変える
「ヨーグルト」、「はちみつ」、「カリウムが低い果物ジャム」などを
少し加えることで味を変える
おまけ:カリメートの動画
参考資料
カリメート®添付文書、インタビューフォーム
アーガメイト®添付文書、インタビューフォーム
ケイキサレート®添付文書、インタビューフォーム
各メーカー問い合わせ