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ジルコニウムシクロケイ酸ナトリウム水和物(ロケルマ®懸濁用散分包)の作用・用法・使い方について~改訂予定~

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ジルコニウムシクロケイ酸ナトリウム水和物(ロケルマ®懸濁用散分包)の作用・用法・使い方について~改訂予定~

45年ぶりに高カリウム血症に対する薬剤が2020年に発売になった。
様々な特徴を有するロケルマ®について解説する。
また、アーガメイト®やカリメート®との違いについても触れる。
内容が盛りだくさんなので2回に分けて紹介する。

ロケルマ®錠と他剤の違いの事は下記の記事に色々載せている
ジルコニウムシクロケイ酸ナトリウム水和物(ロケルマ®懸濁用散分包)の他剤との違いについて

他剤の特徴などは下記の関連記事を参照のこと
アーガメイト®やカリメート®による便秘について~ラグノス®NF経口ゼリーも少し~

カリメート®・アーガメイト®とケイキサレート®の違い~便秘や下痢に注意~

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①作用について

作用機序

ジルコニウムというのは金属の一種である。
ロケルマ®内にある「水素イオン」と「ナトリウムイオン」を消化管内に存在する「カリウムイオン」と選択的に交換することで、
カリウムを体外へ排出する働きを有する。
ロケルマ®の微孔開口径は平均約3Åであり、カリウムイオンの直径が2.98Åと近いためロケルマはカリウムを選択的に捕捉することができる。

※選択的というのは?

既存で販売されていたポリスチレンスルホン酸ナトリウム(ケイキサレート®散)は、「カリウムイオン」だけでなく「カルシウムイオン」や「マグネシウムイオン」も吸着する性質があった。
ロケルマ®(平均約3Å)はカリウムイオン(2.98Å)を吸着し、
カルシウムイオン(2.00Å)、マグネシウムイオン(1.44Å)は小さいためすり抜ける。
そのため、カルシウムイオンやマグネシウムイオンは捕捉されにくい。

※ジルコニウムは野菜や普通の食事に入っていたり、歯の詰めものに使われたりしているので安全性は高い

作用部位

ロケルマ®は消化管の上部でも下部でも効果を発揮!

ポリマー関連のアーガメイト®やカリメート®は、「消化管下部」で効果を発揮するが、ロケルマ®は消化管全体、上部も含めて効果を発揮する。
そのため、速く効くことが分かっている。

効果発現までの時間の目安

・補正期
投与後24時間で63.3%、
投与後48時間で89.1%
の患者が正常血清カリウム値に達する。

・維持期
投与8-29日目の平均血清カリウム値は
5g群→4.8mmol/L
10g群→4.4mmol/L

この試験では、正常血清カリウム値として、
3.5mmol/L以上5.0mmol/L以下と定義されている。
(国際共同第Ⅲ相試験(HARMONIZE Global試験より))

※臨床試験では1時間後からは効果が発現することは分かっている。
※効果発現は速いが、緊急時は使用できない。
添付文書に下記の記載がある。
「 本剤は効果発現が緩徐であるため、緊急の治療を要する高カリウム血症には使用しないこと。」

②用法用量について

・食事に影響なく服用することが出来る
・維持期1日1回の服用である
・他剤からの切り替えのとき
カリウム値が基準値であれば5g1日1回で現在使用されている。
(現在詳細調査中、保険上どうかは各自確認が必要)

非透析患者

「通常、成人には、開始用量として1回10 gを水で懸濁して1日3回、2日間経口投与する。なお、血清カリウム値や患者の状態に応じて、最長3日間まで経口投与できる。以後は、1回5 gを水で懸濁して1日1回経口投与する。なお、血清カリウム値や患者の状態に応じて適宜増減するが、最高用量は1日1回15gまでとする。」

透析患者

「血液透析施行中の場合には、通常、1回5 gを水で懸濁して非透析日に1日1回経口投与する。なお、最大透析間隔後の透析前の血清カリウム値や患者の状態に応じて適宜増減するが、最高用量は1日1回15 gまでとする」

※血液透析施行中の高カリウム血症患者を対象とした日本人を含む国際共同第Ⅲ相試験(DIALIZE試験)において、血清カリウム値の低下効果が認めれている。

補足:カリウム測定は必要

「本剤投与開始3日目に1回10gを1日3回投与する場合には、3日目の投与前に血清カリウム値が治療目標値に達していないことを確認すること。また、本剤投与開始3日後にも血清カリウム値が治療目標値に達していない場合は、他の治療方法を検討すること(血液透析施行中を除く)」

※先ほどの効果発現のところで書いたが、48時間後には、89.1%に効果があるので「3日経っても効果がいまいちの場合は他の方法を検討しなさい」と記載がある。

また、定期的な測定についても記載されている。

「本剤投与開始時及び投与量調整時は、1週間後を目安に血清カリウム値を測定すること。以後は、患者の状態等に応じて、定期的に血清カリウム値を測定すること」

③使い方

分包内の全ての薬剤を容器に空け、約45mLの水に懸濁する

ロケルマ®は溶解しないため、十分に懸濁し、沈殿する前に服用する

沈殿した場合は、再び懸濁して服用する

服用後に容器にロケルマ®が残っていないことを確認する

※懸濁後のロケルマ®は保管せず、廃棄する

※カリウム血症は危険なので子供の安全性なども考慮して開封しにくい仕組みになっている。

※開けるための「切れ目」の仕組みは日本製剤のみに採用されている
海外の人はハサミで切るのが一般的とのこと

飲み方のコツ・工夫

ざらつくが味はなく比較的飲みやすい

※メーカー推奨はしないが
オレンジジュース、お茶、コーヒーは検討されていて、
どうしようもなければ・・・OKというメーカーの回答
ただし、懸濁する際は、45mlくらいの少ない量で懸濁しないといけない

※他の薬と服用する際の水分で飲んではどうか提案するのも良い。
コップ45mlの水に懸濁し、その懸濁した水で服用する等

おまけ:動画

参考資料
ロケルマ®添付文書、インタビューフォーム
国際共同第Ⅲ相試験(HARMONIZE Global試験)
メーカー説明会
メーカー問い合わせ

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コメント

  • […] 前回は、作用機序などをメインに触れた。今回は、既存の高カリウム血症治療薬との違いを重点的に取り上げたいと思う。便秘が多い人や服用回数が多い人に使いやすい。ジルコニウムは野菜や普通の食事に入っていたり、歯の詰めものに使われたりしているので安全性は高い。ロケルマ®のその他の特徴は下記を参照ジルコニウムシクロケイ酸ナトリウム水和物(ロケルマ®懸濁用散分包)の作…他剤の特徴は下記を参照アーガメイト®やカリメート®による便秘について~ラグノス®NF経口ゼリーも少し~カリメート®・アーガメイト®とケイキサレート®の違い~便秘や下痢に注意~ […]

    by ジルコニウム(ロケルマ®懸濁用散分包)の他剤との違い | いなかの薬剤師 2020年6月9日 7:01 午前

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