成分は同じである。「素錠」か「腸溶錠」かの違い
「サラゾスルファピリジン」は抗炎症作用を有する5-アミノサリチル酸と
抗菌作用を有するスルファピリジンを結合組織への親和性を高める目的で
アゾ結合させた化合物
※禁忌事項も同じなので一応チェック
「1.サルファ剤又はサリチル酸製剤に対し過敏症の既往歴の ある患者
2.新生児、低出生体重児」
サリチル酸ぐらいは頭に入れておいてもいいかもしれない
※本当に名前が似ているので調剤間違いや勝手に変更しないように
注意すること
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①適応症の違いについて
サラゾスルファピリジン®錠(素錠)
「潰瘍性大腸炎」、「限局性腸炎」、「非特異性大腸炎」
・用法用量
「通常1日4~8錠(2~4g)を4~6回に分服する。
症状により 初回毎日16錠(8g)を用いても差しつかえない。
この場合3週間を過ぎれば次第に減量し、1日3~4錠(1.5~ 2g)を用いる。
ステロイド療法を長期間継続した症例については、サラゾピリン4 錠(2g)を併用しながら、徐々にステロイドを減量することが必 要である。」
アザルフィジン®EN錠(腸溶錠)
「関節リウマチ」
・用法用量
「本剤は、消炎鎮痛剤などで十分な効果が得られない場合に使 用すること。
通常、サラゾスルファピリジンとして成人1日投与量1gを
朝食及び夕食後の2回に分割経口投与する。」
「臨床試験において、1日投与量2gでは1gに比し副作用発 現率が有意に高かったことから、本剤の投与に際しては用法・用量を厳守すること。」
※2gで使ってはならない・・・
※サラゾスルファピリジン錠には、 「関節リウマチ」に対しての
有効性安全性のデータがないだけで「効かない」訳ではない。
海外で素錠であるサラゾスルファピリジン錠が「関節リウマチ」に
用いられる例もある。
※「関節リウマチ」に用いる方が用量が少ないので注意
※なぜ250mg製剤があるのか?
インタビューフォームによると
「アザルフィジンEN錠は錠剤が大きく、一部の患者さんには服用しづら いという問題があり、錠剤の小型化が望まれていた。
そこで、含量を半分にし たアザルフィジンEN錠250mgを開発し、
2002年3月14日に承認された。」
→500mgはとても大きいので飲めない人のために
250mgが存在している
②EN錠(腸溶錠)の理由
アザルフィジン®EN錠は、
サラゾスルファピリジンの胃腸障害を軽減するため腸溶錠となっている。
③薬効(着眼点?)の違い
関節リウマチに対して
大腸で溶けて切られる前の約10%が吸収される (吸収部位は小腸)
↓
吸収されたものが免疫系に作用する
※不明な点が多いが、 炎症性サイトカインの産生抑制や関節炎の予防効果がある
潰瘍性大腸炎に対して
大腸の腸内細菌によりアゾ化が切れる
↓
スルファピリジンと5-アミノサリチル酸(5-ASA)になる
↓
5-アミノサリチル酸(5-ASA)が炎症部位に作用し 大腸の炎症を抑制する
※腸溶錠の方が素錠より吸収されるというデータはない
参考資料
サラゾピリン®錠インタビューフォーム、添付文書
アザルフィジンEN錠インタビューフォーム、添付文書
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