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ドネペジル、ガランタミン、リバスチグミンの違いについてざっくりと~作用や製剤的特徴など~(追記予定)

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ドネペジル、ガランタミン、リバスチグミンの違いについてざっくりと~作用や製剤的特徴など~(追記予定)

基本的な作用であるコリンエステラーゼ阻害作用は同じである。
ただ、プラスの作用や製剤的な違いがあるためざっくりとまとめる。
エビデンス的にはドネペジルが豊富な印象。

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①ドネペジル(アリセプト®)について

効能・効果

添付文書
「アルツハイマー型認知症及びレビー小体型認知症における認知症症状の進行抑制」



軽度から高度までのアルツハイマー型認知症
レビー小体型認知症にも適応あり
→保険適応があるのはドネペジルのみである 

用法用量

添付文書
「アルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制 通常、成人にはドネペジル塩酸塩として1日1回3mgから開始し、1~2週間後に5mgに増量し、経口投与する。高度のアルツハイマー型認知症患者には、5mgで4週間以上経過後、10mgに増量する。なお、症状により適宜減量する。」



治療用量までの期間が短い
3㎎から1~2週間で5㎎に増量できる。

その他の特徴

・半減期
半減期が長い(5mgの場合:89.3 ±36.0時間)
→1日1回服用すればよい
また、半減期が長いため短期間の服薬中止、中断では効果が落ちにくい
中止してもすぐには効果が落ちないのはメリットであるが、
副作用が生じた際には、これがデメリットとなる。

・効果について
効果はやや賦活的と言われている。ガランタミン(レミニール®)は静穏的
 
・剤形豊富
普通錠、口腔内崩壊錠、細粒、内用液、ゼリー、ドライシロップ、フィルム
→さまざまな状況の人に対応することができる

②ガランタミン(レミニール®)

効能・効果(+作用について)

添付文書
「軽度及び中等度のアルツハイマー型認知症における認知症 症状の進行抑制」

アセチルコリンエステラーゼ阻害作用+ニコチン性Ach受容体に対する
アロステリック効果により、脳内のアセチルコリン作用を増強する。
アセチルコリンが結合する相手側にも影響を与える。

補足:アロステリック効果についてはこちらを参照



アセチルコリンの効果を増強する



他の神経伝達物質の放出も増やす。
(グルタミン酸、セロトニン、γーアミノ酪酸(GABA)、ドパミン、
ノルアドレナリンなど)

これらの神経伝達物質の減少がBPSDに関わっているため
精神的に鎮めることも期待できる。
興奮、易怒性、攻撃性が現れやすい人に使いやすい

用法用量

添付文書
「通常、成人にはガランタミンとして1日8mg(1回4mgを1日2回)から開始し、4週間後に1日16mg(1回8mgを1日2回)に増量し、経口投与する。なお、症状に応じて1日24mg(1回12mgを1日2回)まで増量できるが、増量する場合は変更前の用量で4週間以上投与した後に増量する。」



治療用量まで増量するのに4週間かかる

その他の特徴

・半減期について
速い吸収と半減期も短い(8mg:Tmax 1時間、半減期9.4±7.0時間)

→副作用発現した場合はすぐに離脱できる

・剤形も割とある
普通錠、口腔内崩壊錠、内用液

③リバスチグミン(リバスタッチ®、イクセロンパッチ®)

効能・効果(+作用について)

添付文書
「軽度及び中等度のアルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制」

アセチルコリンエステラーゼ阻害作用+ブチリルコリンエステラーゼ阻害作用もある。
ブチリルコリンエステラーゼもアセチルコリンの分解にかかわっている。
健康であればアセチルコリンエステラーゼの活性が主だが、
アルツハイマー型認知症では、進行に伴いブチリルコリンエステラーゼが増強するという報告がある。そのため、こちらにも効果を加えたもの。

用法用量

添付文書
「通常、成人にはリバスチグミンとして1日1回4.5mgから開始し、原則として4週毎に4.5mgずつ増量し、維持量として1日1回18mgを貼付する。また、患者の状態に応じて、1日1回9mgを開始用量とし、原則として4週後に18mgに増量することもできる。 本剤は背部、上腕部、胸部のいずれかの正常で健康な皮膚に貼付し、24時間毎に貼り替える。」



現在は、9mgからスタートすることも出来る。
条件は下記を参照。副作用が大丈夫そうな人に使える。

添付文書
「リバスチグミンとして1日1回9mgより投与を開始し、原則として4週後に1日1回18mgまで増量する投与方法については、副作用(特に、消化器系障害(悪心、嘔吐等))の発現を考慮し、本剤の忍容性が良好と考えられる場合に当該漸増法での投与の可否を判断すること。」

その他の特徴

貼付剤のため、家族や介護者が貼りやすい
嚥下障害がある人
拒薬がひどい人にも使える
何か問題があれば剥がすこともできる。

スキントラブル(皮膚障害)がある場合→保湿剤を用いることも考える
ひどい場合はステイロイド外用剤を使用する

・皮膚障害を防ぐための工夫
毎日貼る場所を替える
入浴時に貼付場所をよく洗う
保湿を忘れない

・効果はドネペジルと同程度

・他の2剤とは違いCYPによる代謝を受けないため相互作用が少ない

おまけ:消化器障害の頻度

特に、内服の場合、胃痛やむかつきなどの消化器症状を生じる。
2週間程度でおさまりやすい。

服用開始初期に起きやすい
・ドネペジル:悪心1~3%、嘔吐1~3%
・ガランタミン:悪心14.9%、嘔吐12.4%
・リバスタッチ:悪心7.6%、嘔吐7.8%

参考資料
アリセプト®添付文書、インタビューフォーム
レミニール®添付文書、インタビューフォーム
イクセロンパッチ®添付文書、インタビューフォーム