" />

整形外科・骨 薬物動態・相互作用

骨粗鬆症治療薬の服用タイミングについて~日内リズムから考える~

スポンサーリンク

服用タイミングは非常に難しいと思う。
例えば、通常であれば「朝」服用した方が、飲み忘れは少ないし、
精神科領域であれば「寝る前」の方が飲み忘れは少ない。
ただ、完璧に飲めるとして・・・
どのタイミングがいいのだろうと考えることも大切と思い
今回は、骨粗しょう症をテーマにまとめる。

①骨代謝に関する日内リズムについて

一般に夜間で骨形成が亢進する。
(血中カルシウムの低下・血中副甲状腺ホルモン濃度が上昇)、
昼間に骨吸収が亢進する。

※老人性骨粗鬆症・閉経後骨粗鬆症でも見られる

②服用タイミングの1つの考え方

活性型ビタミンD製剤(エディロール®など)

夜間の方が骨の形成が増えるため、 活性型ビタミンD製剤は夜服用したほうが、 血中のカルシウム濃度が下がっているので副作用としての高カルシウム血症のリスクは下がる。
(添付文書などの記載は関係なく・・・あくまでも日内リズム的な考え)

※添付文書上:エディロール®用量・用量
「通常、成人にはエルデカルシトールとして1日1回0.75μgを経口投与する。
ただし、症状により適宜1日1回0.5μgに減量する。」

→特に服用タイミングの記載はない

※そもそも日光浴も大切、1日15分以上

ラロキシフェン(エビスタ®)

ラロキシフェンとプラスミノーゲン活性化因子インヒビター濃度(PAI-1)の検討 したデータがある。
PAI-1が上昇すると副作用である「深部静脈血栓症」の危険が上昇するのだが

「朝」の投与では上昇する。
「夕」の投与では上昇しない。

ラロキシフェンは「夕」投与の方が安全性が高いと思われる。

※添付文書上の用法・用量
「通常、ラロキシフェン塩酸塩として、1日1回60mgを経口投与する。」

→服用タイミングの記載はない

ビスホスホネート製剤(アレンドロン酸など)

注射は別として、内服薬としては「起床時」以外ない。
副作用のリスクや吸収の事を考えると仕方がないことである。

腸管からの吸収は悪いが、一度吸収されると特異的に骨組織に取り込まれるのが特徴である。そのため、週一回や月一回の製剤が開発されている。

※消化管からの吸収率が低いため
水以外の飲食物は服用後30分以内は摂取しない。(ボンビバ®は60分)
30分は横にならない等の注意が必要

※アレンドロン酸(フォサマック®)の添付文書の記載
「本剤は水のみで服用すること。水以外の飲み物(Ca、Mg等 の含量の特に高いミネラルウォーターを含む)、食物及び他の 薬剤と一緒に服用すると、吸収を抑制するおそれがある」

※ちなみに副作用防止の観点からも
30分以上横になれない方には禁忌となっている

骨粗鬆症の時間治療、藤村昭夫
エビスタ®添付文書
エディロール®添付文書
フォサマック®添付文書