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ジスルフィラム(ノックビン®)とシアナマイド(シアナマイド®内用液)の違いについて~抗酒薬を整理~

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ジスルフィラム(ノックビン®)とシアナマイド(シアナマイド®内用液)の違いについて~抗酒薬を整理~

アルコールの代謝と抗酒薬について整理する
意外と違いなど個人的に覚えにくい

アルコール依存症とアカンプロサートカルシウム(レグテクト®)については
こちらを参照

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①アルコールの代謝について

アルコール(エタノール・酒)

アルコール脱水素酵素(ADH)

アセトアルデヒド

アルデヒド脱水素酵素(ALDH2)

酢酸



水+二酸化炭素

抗酒薬の基本的なイメージ

アセトアルデヒド代謝酵素を阻害し、アセトアルデヒドを体内に蓄積させる。
アセトアルデヒドが原因で、「吐き気」、「頭痛」、「動悸」、「冷や汗」等を引き起こす。
嫌な症状を引き起こすので飲酒が減る?という薬である。
顔が赤くなったり、心臓がバクバクして怖いという気持ちから飲まなくなる。
不安感を利用するイメージである。

※ただし、体内にすでにアルコールがあると・・・
脱水素酵素は、アルコールの方が薬より感受性があるので
効果はいまいちである。

※アセトアルデヒドが蓄積するので心不全などに注意が必要
蓄積しすぎると体に毒である・・・

※飲酒の欲求を抑制する作用はない

②抗酒薬の違い

ジスルフィラム・ジアナマイドそのものは、アルデヒド脱水素酵素の抑制効果はほとんど持たない。
その代謝産物が薬効を示す。
代謝産物が働くのは主にALDH2である。
服用期間は 6~12 ヵ月が目安。

重要な基本的注意(添付文書)(共通)

「1.本剤による治療に先立ち,本剤服用中に飲酒した場合の反応を説明して,患者及びその家族等の了解を得ること.また,飲酒試験が終了するまでは,入院させることが望ましい.

2.投与前に,アルコールの体内残留の有無を確かめること.

3.本剤服用中は,医師の指示によらないアルコール摂取を禁じること.

4.本剤服用中は,アルコールを含む食品(奈良漬等)の摂取や,アルコールを含む化粧品(アフターシェーブローション等)の使用を避けさせるよう十分に指導すること.」



本人や家族に説明して
自己判断でのアルコール摂取を禁止している。
個人的に対応した患者はみんなお酒の匂いがしていたが・・・
ノックビン®投薬後に医師には連絡していた(飲酒の疑いの件)

ジスルフィラム(ノックビン®)

ゴムの硫化促進剤として使われている。そのため、自動車用タイヤ工場などで働く人は2日酔いしやすい。

最初は競合的阻害であるが、やがて非可逆的にALDH2の活性中心と共有結合する
→効きが遅い。場合によっては3週間くらいかかる

飲み始めは、効かないという印象が起きたりするので注意。
一度血中濃度がある程度までいくと、活性中心とピッタリくっつくので
その蛋白が壊れるまで薬が残る。

→効き始めは遅いが、長期に効果を発揮する
アルコールに対する感受性は服用後14日間持続する

・中枢神経系の副作用が起こることがある
せん妄、錯乱、不安、幻覚、妄想など

※考えられている機序
ドパミンをノルアドレナリンに変換する酵素をジスルフィラム
が阻害するために脳内ドパミンが増加する。

・室温保存(なるべく冷所保存)

シアナマイド(シアナマイド®内用液「タナベ」)

ジスルフィラムよりルーズに結合。半減期42分である。
分解産物の半減期はもっと長い。

※作用時間(インタビューフォーム)
「服用後 5 分で作用を発現しはじめ 1 ~ 3 時間で作用は最も強く 6 時間後
にも作用を持続し 24 時間後にはほとんどなくなる」

・肝機能障害が出やすい。

・薬疹が出ることがある(落屑性紅斑を特徴とする)
かゆくなったりする。アレルギー反応? (5%以上又は、頻度不明)
そのものが皮膚に触れると接触皮膚炎の可能性があるので調剤にも注意が必要

※落屑(らくせつ):表皮角質層の上層部が薄い断片となって剥がれ落ちること

・シアナマイドはジスルフィラムに比べて速攻性がある。
通常用量でみると阻害作用は、シアナマイド>ジスルフィラム

・冷所保存

参考文献
ノックビン®添付文書
シアナマイド®内用液「タナベ」インタビューフォーム、添付文書
新アルコール・薬物使用障害の診断治療ガイドラインに基づいたアルコール依存症の診断治療の手引き、第一版

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