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精神科 質問

依存と薬物乱用 について

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依存と薬物乱用 について簡単に整理する。
意外と忘れがちなので定義なども載せてみる

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①依存とは?

とにかく色々なものより、優先して薬物などを使用してしまう状態・・・

ICD-10の「依存症候群」の定義

「そのひとにとってかつては高い価値を有していたそのほかの行動よりも、その薬物の使用がより高い優先度をもつようになる身体的、行動的および認知的障害の一群」

国際疾病分類(IDC=International Classification of Diseases)
第10版(IDC-10)
世界保健機関(WHO)の定める伝染病、健康管理、臨床利用を目的とした診断分類

DSM-5での「物質使用障害群」の特徴

「物質に関連した重大な問題が生じているにもかかわらず、その人が物質を使用し続けることを示す、認知的、行動的、生理学的症状の一群 」

精神依存とは?

渇望(薬物が欲しいという気持ち)が強くなる状態

身体依存とは?

ある薬物が身体に入っている時には、さほど問題を生じないが、これが切れてくると、いろいろな症状が出てくる状態

②薬物乱用とは?

「薬物を社会的規範から逸脱した目的や方法で自己使用すること
すなわち
1.使用自体が規制されている薬物を使用する(麻薬・覚せい剤など)
2.本来の目的とは違った目的で薬物を使用する。(有機溶媒、ガスなど)
3.酒、タバコなどの嗜好品を健康や社会生活を破綻させるほどに摂取する
4.医薬品を医療以外の目的のために使用する 5.医薬品を医師の指示に反した使用法で使う」

治療という目的は妥当であっても「早く治りたい」「細菌効きが悪い」 などの理由で医師の指示に反して使用することは「乱用」ということになる。

高齢の方でも、とにかく眠剤を飲みたがり予定の受診日より早く来たりする。
2回分、3回分平気で服用する・・・
年齢とともに睡眠時間は短くていいのに本当に「なぜそこまで寝たいのか?」
という程、眠剤を欲する人がいる。
完全に「薬物乱用」という状態なので注意が必要・・・

参考資料
アルコール・薬物関連障害の診断治療ガイドライン
American Psychiatric Association:Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, Fifth Edition, DSM‒5. American Psychiatric Association, Washington, D. C., 2013
日本精神神経学会(日本語版用語監修) 高橋三郎,大野裕(監訳):
DSM-5精神疾患の診断・統計マニュアルp475(2014年医学書院)
和田 清,依存性薬物と乱用・依存・中毒,星和書店
ご家族の薬物関連でお困りの方へ 発行:厚生労働省医薬食品局監視指導・麻薬対策課 制作作成:再乱用防止資料編集委員会