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睡眠薬の依存と離脱症状 について~抗不安薬も含む~

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睡眠薬の依存と離脱症状 について触れる。
以前も薬物依存についてはまとめたが、睡眠薬の切り口から簡単に整理する。

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睡眠薬の依存と離脱症状

そもそも服薬指導の際に必ず伝えて欲しいことは、睡眠薬の目的は、「眠る」ことではなく「日中の機能改善」ということである。眠れることも大切であるが、高齢であれば眠れないのは当然である。小さい子供であれば忘れる作業が必要なので、たっぷり眠るけれど・・・
個人的には、「睡眠時間」や「夜間の覚醒頻度」は確認するが、それ以上に「日中疲れを感じてないか」などの方が大切かもしれない。普通に生活していれば、それ以上に眠る必要はないのだ。

睡眠薬の依存の機序

脳内のドパミンが過剰になってしまうので薬を止めれない状態になるのだ

【考えられている機序】
中脳辺縁ドパミン神経での抑制性GABA神経(ブレーキの役割)の作用が弱くなる
あるいは、興奮性神経(グルタミン酸神経、オレキシン神経)からのシグナルが強くなる

ドパミン神経が活性化する
(ドパミン神経の脱抑制)

快楽中枢である側坐核におけるドパミンの分泌が亢進する。

そのドパミンの分泌が長時間、過剰に続く

結果として、依存が形成されると考えられている

※長期に使用していると承認用量であっても依存が生じることがあるので注意
睡眠薬や抗不安薬であるベンゾジアゼピン系の薬剤は特に気を付けること

離脱症状

【離脱症状】
「薬物投与の中断により、薬物投与前になかった症状が新たに生じる状態」である。

ベンゾジアゼピン系による中止で起こりうる離脱症状としては、多くの症状が確認されている。

「不安感の増強」、「振戦(ふるえ)」、「頭痛」、「吐き気」、「発汗」、「味覚や光に対する感覚異常」、「精神的な異常」など数えきれない。

※似た言葉で「再燃」は、元の状態に戻ることである

【反跳性不眠】
投与前より眠れない状態になること

離脱症状に影響を与える要因

・ベンゾジアゼピン系>非ベンゾジアゼピン系
・高用量>低用量
・長期間>短期間
・短時間作用型の薬剤>長時間作用型の薬剤
・GABA受容体への親和性が高い薬剤(高力価>低力価)
・高齢者>若年者(肝機能低下などによる蓄積)

※超短時間作用、短時間作用の薬剤で高力価のものは、トリアゾラム、アルプラゾラム、ロラゼパムなどが有名
※長期間使用する可能性がある場合は、長時間作用型の薬剤の方がよい(ジアゼパム、ロフラゼプなど)
※薬剤を中止する際は、いきなり切るのではなく短時間作用型を使っているなら長時間作用型に切り替えて減らしていく方法も良い

参考資料
Nestler EJ. Net Neurosci 2005:8(11) :1445-1449

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