①褥瘡の好発部位
ポイント:骨突出があって体重(荷重)がかかりやすい部位
※圧がかかってしまうのでダメージを受けてしまう
↓
つまり、普段の姿勢によって場所が変わる
どんな姿勢がある?
まずは3つ覚えよう!
・仰臥位(ぎょうがい)
→仰向けの状態
→仙骨部(せんこつぶ)や踵骨部(しょうこつぶ)
・側臥位(そくがい)
→横向きに寝ている状態
→大転子部、腸骨稜部(ちょうこつりょうぶ)
・座位
→座っている状態(椅子や車いす等)
→尾骨部、仙骨結節部→お尻の辺り
全体としては、「仙骨部」が一番多いと言われている。
考え方としては、
寝たきりでは、仙骨部が多く注意
昼間ずっと車いすだったらお尻の辺りが注意ということ
②湿潤環境について
褥瘡部位は水分が多すぎても良くないし、乾燥しすぎても良くない。
つまり、バランスのよい環境を作ってあげる必要がある。
湿潤環境下療法(moist wound healing)とは?
湿潤環境下療法(moist wound healing)とは、創面(褥瘡部)を適切な湿潤環境に保つ療法のことである。
ほとんどの場合、湿潤環境の方が治りは良い。
なぜかというと・・・
そもそも傷を治すためには、線維芽細胞や白血球が必要である。
そのため、湿潤環境において
多核白血球、マクロファージ、酵素、細胞増殖因子などを
褥瘡部に保持することで褥瘡を治りやすくする方法である。
※乾燥していると、上記の細胞などは上手く機能することが出来ない。
ざっくりとしたメリット
・滲出液(湿潤)により、サイトカインを利用し細胞増殖を促進できる
・傷口などが、くっつくことで組織を痛めるのを防げる
※注意点
細菌にとっても湿潤環境は増殖しやすい環境なので、感染症には十分注意すること
③湿潤環境と基剤
褥瘡部の水分の具合によって基剤を選ぶ必要がある。
つまり、基剤の特性をざっくり知っておくと褥瘡の治療を考えるうえで助けとなる。
自分もいまいち褥瘡の治療薬の理解が出来ないが、これを知ることで少し分かるようになってきた。
1つ1つ細かく勉強するより、まずは、ざっくりとしたイメージを持つことをお勧めする。
滲出液が多い場合
じゅくじゅくな状態の場合→吸水性のある基剤を用いる
例:水溶性基剤のマクロゴール
※使いすぎると乾燥してしまうので注意
滲出液がほとんどない場合
あまり湿っていない場合→補水性のある基剤を用いる
例:乳剤性基剤
※ただし、乳剤性基剤は、水分も与えるが刺激性に注意する。
急性期の褥瘡には向かないことがある。
※補足として、油脂性基剤は皮膚保護などの目的で用いる
参考資料
褥瘡予防・管理ガイドライン第4版