補足:瞬目と眼圧
ドライアイの病態とその他の治療薬についてはこちらを参照
①ドライアイのイメージ(別記事のおさらい)
2006年ドライアイ研究会により「ドライアイとは、様々な要因による涙液および角結膜上皮の慢性疾患であり、目不快感や視機能異常を伴う」と定義されている。
ポイントは、角結膜上皮の障害があって、慢性疾患だということ
ドライアイのイメージ
•涙液が減る→「乾く」→「ぼやける」「疲れる」→カラカラアイ
•摩擦が増加→「痛い」→「違和感」「痛み」→ゴロゴロアイ
ポイント
ゴロゴロする症状は、涙液層の問題だけではない!!
瞬目時の摩擦亢進も関係している!!
②レバミピド懸濁点眼液(ムコスタ®)
元々胃の粘膜を改善する薬剤として発売されていたが、ドライアイ治療薬として承認されている。
レバミピドが、このゴロゴロアイに対して効果があることを知っておこう。
作用機序
レバミピドはそのムチンを増やすことが出来る
「分泌型ムチン」、「膜型ムチン」、「杯細胞」も増やす。
↓
抗炎症作用がある
↓
「摩擦」による「炎症」を治す。
※摩擦部位に杯細胞があり、この杯細胞を増やすことで
摩擦を減らしてくれている。
↓
杯細胞は、車のワイパーのようなイメージ。水が出る
↓
今のところワイパーを直せる(杯細胞治療)はレバミピドだけである。
※ムチンの機能は、「摩擦」を減らしてくれる。
※ジクアホソルナトリウム(ジクアス®)に抗炎症作用はない
服薬指導で大切なこと
操作性の問題や回数の問題も含めアドヒアランスが悪い
まず以下の事を伝える必要がある
・ほとんどの人に苦味が出る
・胃薬なので大丈夫
アドヒアランスにかなり関係してくる
③その他の事項(添付文書)
用法用量
通常1日4回点眼する、1回1滴
重要な基本的注意
「本剤の点眼後、一時的に目がかすむことがあるので、機械類の操作や自動車等の運転には注意させること。」
白い懸濁性の点眼なので起こるのだが、思ったより見えにくい・・・
差した直後はびっくりするので言っておいた方が良い。
本当に視界が白くなる感じ。しばらくすると落ち着く
取扱い上の注意
「本剤は、保管の仕方によっては振り混ぜても粒子が分散しにくくなる場合があるので、点眼口を上向きにして保管すること。」
点眼前に弾いて混ぜる必要があるので、混ざりにくくならないように
保管の仕方も言っておく必要がある。向きが大切
補足:瞬目と眼圧
•目をつぶると眼圧5くらい上がる。
•ぎゅーっとつぶると眼圧が70から100程上がる
この圧力で摩擦が起きてしまう。
ドライアイになると、目をこすったり、瞬きしたり、するが
さらに摩擦が起きてしまうのだ・・・
参考資料
レバミピド懸濁性点眼液(ムコスタ®)、添付文書、インタビューフォーム
渡辺仁:眼科診療プラクティス. 41 ドライアイのすべて(編集/渡辺仁ほか)、P76-80, 文光堂, 1998