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ロスバスタチン(クレストール®)の先発品と後発品の粉砕における違い

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今回は、先発品であるクレストール®と後発品(ジェネリック)であるロスバスタチン「サワイ」の粉砕(つぶし)に関する違いがあるのでまとめる。
本来であれば粉砕せずに口腔内崩壊錠(OD錠)に変更したり、簡易懸濁法を行う方が絶対に良いのだが・・・
そう出来ないケースもあると思う。
なので今回のような先発品と後発品(ジェネリック)の違いを少し知っておくといつか役に立つのではないだろうか・・・
後発品(ジェネリック)が優れているケースもある!

先発品と後発品(ジェネリック)の粉砕における違い

先発品の場合(クレストール®)

塩野義製薬で創薬されたものであり、アストラゼネカと塩野義製薬の販売のものがある。
そのため双方のメーカーに聞いてみた。
基本的に先発品は粉砕不可である。
メーカーから最終的には口腔内崩壊錠の話が出てくる。

【アストラゼネカの返答】

粉砕後の安定性、有効性、薬物動態データがないためOD錠に変更してくださいとのこと。

【塩野義製薬の返答】

原薬には吸湿性があり不安定である。
また、光による分解を防ぐためフィルムコーティングを施している。
粉砕すると、分解物が増加してしまい、主薬の含量低下があるため
粉砕はおススメしない。
メーカーとしては口腔内崩壊錠のOD錠を使って欲しいとのこと。

※粉砕関連のデータ

・苛酷試験:
40℃75%RH、ポリエチレン製剤+ファイバードラム
6か月で有機不純物の増加

・原薬での試験(光に弱さがある)
4000ルクス、300時間で着色する
また、含量が約7%低下(99.6%→92.3%)

後発品(ジェネリック)の場合

今回取り上げるのは沢井製薬の製品である。
ロスバスタチン錠「サワイ」についての質問をしてみた。

【沢井製薬の回答】

粉砕後のロスバスタチン錠を透明瓶と褐色瓶に入れて
それぞれ「蓋を開けた場合」と「閉めた場合」で試験をしているとのこと。
薬物動態のデータはないが、見た目を含め変化がないため、
粉砕しても問題はないとのこと

※私見

例えば、サワイ製薬のロスバスタチンにも口腔内崩壊錠が存在するが、
最近は、施設のスタッフからの質問も増えている。
途中から粉砕に変更となる場合がある・・・
すべての病院や薬局が口腔内崩壊錠を採用しているわけではない。
また、「先発品は粉砕がOK」で「後発品がNG」の薬もきっとあると思う。
思い込みだけではなくメーカーにしっかり聞くことも大切だろう。

参考資料
クレストール®添付文書、インタビューフォーム
アストラゼネカ問い合わせ
塩野義製薬問い合わせ
ロスバスタチン®「サワイ」添付文書、インタビューフォーム
沢井製薬問い合わせ