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検査値 高尿酸血症・痛風

痛風と偽痛風について~共通点と違い~

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改訂#2
おまけ:尿酸値の日内変動について

①痛風と偽痛風の共通点

・基本的に症状は同じ。結晶性関節炎である。

・好発部位は、「膝」「足関節」

・症状:「熱感」、「疼痛」、「腫脹」を認める。

(関節リウマチはそこまで熱感はない)

・いずれも結晶性関節炎なので関節液を排出して、
ステロイドの関節内注射をすることで改善する 。

②痛風と偽痛風の違い

痛風~発作は自然とおさまる~

・男女比は、9:1→男性に多い
 
・原因→「尿酸」の結晶による関節炎である。
※析出した尿酸を白血球が貪食する

・穿刺排液の顕微鏡所見
→「針状結晶」
※「同一方向」へ向いていることがある 。

・痛風発作の場合は、1週間前後で自然とおさまる。

・レントゲンの所見はなし

・好発部位:第一中足趾節関節(足の親指)

【治療】

・ステロイド薬

経口投与の場合はプレドニゾロン15~30mg日を投与し、
その後、1週間以上かけて漸減する。

【痛風発作の緩解及び予防】

・コルヒチン

※痛風発作が頻発する症例では、コルヒチン1日1錠を連日投与させることもある。ガイドライン上は推奨度Bとなっている。
(推奨度B:言い切れる根拠がある)

・NSAIDs

痛風発作に適応があるNSAIDsは?

添付文書にて適応があるNSAIDsは限られる。
保険が通るかは別として一応整理。覚えておいて損はない

インドメタシン(インテバン®SP)
ナプロキセン(ナイキサン®)
プラノプロフェン(二フラン®)
オキサプロジン (アルボ®)

偽痛風~発作は自然とおさまらない~

・男女比は、1:2→女性に多い
また、70才以上の高齢者に多い

・原因→「ピロリン酸カルシウム」による関節炎である。
関節や肩鎖関節の繊維軟骨に沈着する。

・穿刺排液の顕微鏡所見
→「針より少し長い長方形」
「バラバラの方向」を向いていることがある

※自然に痛みが治まることはない、 析出した結晶が原因なので治まらない

レントゲン所見→関節軟骨の石灰化が映る

【治療】

穿刺→生理食塩水による洗浄→ステロイド入れる。
治療には、約10日、長い人は1ヶ月くらいかかる人もいる。
偽痛風の確定診断があればステロイド単回投与をする。

③おまけ:尿酸値と日内変動

尿酸値の基準値

高尿酸血症・痛風のガイドライン第2版では、

「高尿酸血症は、血清尿酸値が7.0㎎/dLを超えるもの定義する。性・年齢は問わない」
女性の方が7以下であってもリスクが高い。注意すること

日内変動

・痛風発作は夜中から早朝に起こりやすい。
ちょうど、早朝に尿酸値が上昇するためである。

・日内変動と発作は連動している
早朝の尿酸値を「6」以下にする意味がある。
尿酸値の1日の変動を小さくすることが大切である。

・痛風発作の発症率は「6」以下にすることで明らかに減少する。

参考資料
NSAIDs各種添付文書
日本内科学会雑誌第97巻第10号
高尿酸血症・痛風のガイドライン第2版