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尿酸値 と尿酸の役割について考える

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尿酸値 について簡単に整理する
以前もまとめたことはあるが、全体的な話として確認してみる。

過去の尿酸関連の記事は下記より参照
痛風と偽痛風について~共通点と違い~
薬剤・生活習慣と高尿酸血症について~特に利尿剤による副作用をざっくりと~

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①尿酸値

理由は変わらないが、年々男性の有病率が上がっている。
女性はここ数年とくに有病率に変化はない。

基準値・正常値

医療機関によって設定が違うので細かいところは気にしなくて良いが
7を超えると高いというのと・・・
実は、「下限」も存在することを知っておくと良い

・男性:3.0~6.9㎎/dl
・女性:2.5~6.0㎎/dl

尿酸値 が上がるもの例

・飲酒が多い
(適量としては、
日本酒1合、ビール500ml、ワイン180ml、焼酎110ml、ウイスキー60ml)

・体重が多い
(体重が増えると尿酸値が上がる)

・果糖(フルクトース)を含む清涼飲料水

※尿酸降下薬の服薬を中止すると約2週間で数値としては元に戻る。

高いと何が起こるの?

有名な痛風発作はもちろんだが、
様々なリスクが上昇することが分かっている。
とくに脳卒中(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血)は注意が必要である

【数値が上がるとどんなリスクが上昇する?】

・痛風
・慢性腎臓病(CKD)
・尿路結石
・心臓病
※急性心筋梗塞は尿酸値が7を超えてくると生存率が下がる。

【合併症として多いもの】

・高血圧
尿酸値が10を超えると有病率が30%超えてくる

・高コレステロール血症
・高TG血症(中性脂肪)
・メタボリックシンドローム
※男性は、尿酸値が、7を超えるとメタボリックシンドロームの人が多くなる。
※女性は尿酸値が5.4を超えるとなりやすい

・糖尿病
※耐糖能が上昇してしまう
※HbA1cが6を超えると尿酸値が上がってくる。
さらに・・・尿酸値が上がると糖尿病の発症リスクも高くなる。

・CKD
※尿酸値が上がると血清クレアチニン値が上昇する。
尿酸値が7を超えてくると腎障害が多くなる。
アルブミン尿が出やすくなることが分かっている
(アルブミン尿は6を超えてくると注意)

※末期腎不全は
男性の場合、尿酸値が7を超えると1000人当たりの発症率が4倍(1.2人→4.4人)くらい増える。
女性の場合、尿酸値が6を超えると1000人当たりの発症率が10倍(0.9人→9.1人)くらい増える。

尿酸値 による死亡リスク

尿酸値が8を超えてくると死亡リスクが上がってくる。
10を超えてしまうとハザード比で1.7程度。
しかし、実は下がりすぎて4以下であっても死亡リスクが上がってしまう。下げすぎは良くないのである。

②尿酸の役割

尿酸は、プリン体の最終産物である。
食べ物などの「外因性」と体質などの「内因性」のものは、3:7である。
1日に全体として700mg/日合成され、尿から3分の2の500mgが
便から3分の1の200mgが排泄される。
体内には、1200mg程度、常に存在している。
高尿酸血症の原因として、排泄の低下が50~70%、
産生過剰が10%、どちらもある場合が20~30%ぐらいである。

体の中での尿酸の働きとしては、
「酸化作用」と「抗酸化作用」の2面性を持っている。
ブタ→ゴリラ→サル→人間と進化するにつれて尿酸が多くなってくる。

酸化作用としては、NADPHオキシダーゼ活性化による活性化酸素の産生が有名である。抗酸化作用としては、スカベンジャーとして働いている。

※有名なビタミンCであるアスコルビン酸の合成能を
ヒトが失っていることも面白い。進化の過程で外部から取り込むことが容易になったため失ったのだろうか・・・
その代わりに尿酸が関わっている可能性がある。
まだまだ解っていないことも多く今後の発見も楽しみだ。

参考資料
持田製薬勉強会
Iseki K et al: Am J Kidney Dis 44(4): 642-650, 2004
Cutler, R. C.:Am. J. Clin. Nutr., 53:373S-379S, 1991
Oda, M. et al.:Mol. Biol. Evol., 19:640-653, 2002
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