食物繊維 (Dietary fiber)の分類・効果などを示す。
おまけ①サプリメントは必要か?
おまけ②サプリメント:オリゴ糖
①食物繊維 って何?
「炭水化物」=「糖質」+「食物繊維」
ヒトの消化酵素では消化できない栄養素である。
難消化性の成分であるため、
「熱」や「エネルギー」、「体の構成成分」にはならない。
「糖の吸収抑制」、
「コレステロールの排泄促進」、
「便秘を改善」など様々な作用がある。
熱に強く、加熱しても壊れないという特徴もある。
②食物繊維 の分類
「水溶性」と「不溶性」で作用が異なる
水溶性食物繊維(soluble dietary fiber:SDF)
植物も生きるために水分が必要である。
植物が体に水分を含むために食物繊維が存在している。
体内で水に溶けてゲル化し、
血中のコレステロールを低下させ、糖質の吸収を抑える働きがある。
水溶性食物繊維の例:
イヌリン(ごぼう)
ペクチン類(熟した果実)
マンナン(こんにゃく)
海藻多糖類、フコイダンなど(海藻)
不溶性食物繊維(insoluble dietary fiber:IDF)
外に水分などが漏れないように「体の外側」、「皮」、「殻」に含まれる 。
水に溶けない性質のため、水分を吸収して膨らむ。
未消化のものが消化管を通過する時間を短縮し、
便秘の改善につながる。
不溶性食物繊維の例:
セルロース(野菜、豆)
βグルカン(きのこ類、酵母)
キチン、コンドロイチン酸(エビ、カニの殻)
③食物繊維 の効果
満腹感を与える
不溶性食物繊維は、水に溶けないため、
唾液や胃液に含まれる「ムチン」に溶けて膨らむ。
膨らむことで「膨満感」を与える。
その結果、過食を抑えることにつながる。
※小さじ1杯の食物繊維がコップ1杯くらいに膨らむと言われている
糖の吸収を抑える
消化酵素の働きを抑えることで消化を遅らせ、糖の吸収を抑える。
急激な血糖上昇は膵臓に負担をかけるので
「糖尿病の予防」という観点からも有効である。
コレステロールの排泄を促進する
胆汁酸はコレステロールから合成される。
十二指腸から出て、腸で脂肪の消化・吸収を助けている。
その後、大腸から再吸収される。
しかし、食物繊維があると大腸での再吸収が抑えられる。
結果的に、食物繊維は、体内のコレステロールを体外に排泄するのを助ける。
塩分の吸収を抑える
腸内で塩分(ナトリウム)を吸着し、便と一緒に排泄する働きがあります。
結果的に塩分の体内への吸収を減らす。
腸内環境を改善する
腸内細菌は、「善玉菌」と「悪玉菌」に分けることができる。
腸内細菌は食物繊維を餌にする。
ビフィズス菌や乳酸菌は、
食物繊維を食べて「乳酸」や「酢酸」、「酪酸」を出す。
「乳酸」、「酪酸」は腸内環境を弱い酸性にすることで
善玉菌の住みやすい環境にしている。
※悪玉菌にとっては好ましくない環境
「酪酸」は大腸の細胞の成長を助けると言われている。
便秘を改善する
排便回数増加させ、便の腸管通過時間を短縮させる。
(取りすぎると下痢することがある)
おまけ①サプリメントは必要?
植物性の食べ物には、
「水溶性食物繊維」も「不溶性食物繊維」どちらも含まれている。
しかし、サプリメントにはどちらかしか含まれていないことが多い。
野菜ジュースは食物繊維を摂れるが
加工の段階で「水溶性のものだけ」になっているため、
「水溶性食物繊維」の効果は期待できる。
あくまでも基本は食事(野菜・果物)から食物繊維を摂るのがよい。
ただし、+αをサプリメントから摂るのは個人的に良いと思う。
おまけ②オリゴ糖
食物繊維の一種である。
ギリシャ語で「少数の」という「オリゴス」という言葉からきている。
オリゴ糖は、「少糖」とも言われる。
単糖が3~9個結合したもので「ビフィズス菌」や「乳酸菌」の餌となる。
特徴として、オリゴ糖は
日常の食事での野菜や果物にあまり入っていない。
サプリメントとして
「腸内環境が悪い人」がヨーグルトと一緒に摂るのはいいかもしれない。