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精神科

デエビゴ(レンボレキサント)錠の特徴(薬理作用・飲み方・副作用・注意点)について~ベルソムラ(スボレキサント)との違いも~

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デエビゴ(レンボレキサント)錠の特徴(薬理作用・飲み方・副作用・注意点)について簡単に触れる。

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ベルソムラとデエビゴの違い について~スボレキサントとレンボレキサント~

①デエビゴ の薬理作用

レンボレキサント(デエビゴ®)は、覚醒を促進するオレキシンA及びBのOX1R及びOX2Rへの結合を「可逆的」かつ「競合的」に阻害する



脳を「覚醒状態」から「睡眠状態」へ移行する



「睡眠」を誘発する

※レム睡眠への影響が少ないため、「悪夢」の副作用が少ない。(夢が増えない)
※データでは、初日から効果が出る可能性がある(スボレキサントよりいいデータ)。
※速く効いて長く効くことが分かっている。
※効果時間としては、5mg製剤で5~6時間程度。
2.5mgでは1時間減って、4~5時間程度。10mgでは1時間増えて6~7時間程度である。

補足:オレキシンとは?

オレキシンは、オレキシン受容体(OX1R、OX2R)を介して覚醒の安定化及び睡眠の抑制を行っている神経ペプチドである。

※OX2受容体の方が、覚醒/睡眠の調整により重要な役割を担っていることが示唆されている

②飲み方

「通常、成人にはレンボレキサントとして1日1回5㎎を就寝直前に経口投与する。なお、症状により適宜増減するが、1日1回10㎎を超えないこととする。」



「適宜増減」が明記されていることがポイントである。
スボレキサント(ベルソムラ®)には明記されていない。また、最大用量は「10mg」である。
高齢者などの縛りがない。

食後の服用は避けること

寝る前(空腹時)の服用を守ること。食後の服用で効果が落ちて、さらに遅延する可能性がある。
夕食後から2時間以上空けること

インタビューフォームのデータを載せる
「食後投与時の血漿中レンボレキサントのCmaxの最小二乗幾何平均値は23%低下し、tmaxの中央値は1時間から3時間に遅延し、AUC(0-t)及びAUC(0-inf)の最小二乗幾何平均値は18%増加した。」

③副作用について

よくある副作用は?

「傾眠」・「頭痛」・「倦怠感」・「めまい」

参考:国際共同第Ⅲ相試験

「不眠症患者を対象とした国際共同第Ⅲ相試験において、本剤が投与された884例(日本人155例を含む)中249例(28.2%)に副作用が認められた。
主な副作用は、傾眠95例(10.7%)、頭痛37例(4.2%)、倦怠感27例(3.1%)等であった」

その他の押さえておくべきこと

・「悪夢」・「夢」の副作用が少ない。
→飲み始め1週間に比較的多く、飲んでいくうちに減っていく傾向。
ひどい場合は、ルネスタやマイスリーなどZ-drugを少量併用することがある

・ベンゾジアゼピン系のような反跳性不眠がない
→薬剤を中止したら眠れない状態にはならない

・持ち越しの副作用は少ない

④その他の注意

禁忌が少ない

「1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
 2. 重度の肝機能障害のある患者」

※スボレキサント(ベルソムラ®)のようなクラリスロマイシンの禁忌がない。
CYP3Aを阻害する薬剤を使用する場合、用量は2.5mgにする必要がある。

※ちなみに5mgを使用している患者がいるとして、
途中でクラリスロマイシンを使いたい場合、
2.5mgを処方しても保険は通るのこと(メーカー確認済)

※中等度の肝機能障害の場合は、5mgまでの用量で使う。

用法・用量に関連する使用上の注意の記載
「CYP3Aを阻害する薬剤との併用により、レンボレキサントの血漿中濃度が上昇し、傾眠等の副作用が増強されるおそれがある。CYP3Aを中程度又は強力に
阻害する薬剤(フルコナゾール、エリスロマイシン、ベラパミル、イトラコナゾール、クラリスロマイシン等)との併用は、患者の状態を慎重に観察した上で、本剤投与の可否を判断すること。なお、併用する場合は1日1回2.5㎎とすること。」

「中等度肝機能障害患者では、レンボレキサントの血漿中濃度が上昇するため、1日1回5㎎を超えないこととし、慎重に投与すること。」

製剤的な特徴

無包装試験を行っており、一包化が可能。
また、粉砕、簡易懸濁法も行うことができる。

⑤スボレキサント(ベルソム®)より優れている点(違い)

レンボレキサント(デエビゴ®)が、スボレキサント(ベルソムラ®)より優れている可能性がある項目だけをピックアップする。

・スボレキサントより初日から効果が出る可能性がある。
速く効いて長く効く。

・ベンゾジアゼピン系のような反跳性不眠が少ない

・レム睡眠へ影響が少ないため、悪夢などの副作用が少ない

・用量用法に関して、適宜増減が明記されている

・クラリスロマイシンを含めたCYP3A阻害薬が禁忌ではない

・一包化・粉砕・簡易懸濁法が可能

参考資料
デエビゴ®添付文書、インタビューフォーム
メーカー勉強会