外用剤の添加剤であるエタノール について簡単に触れる。
非常に細かい話ですが、意外と忘れるので整理しておく。
白癬菌に対する外用液などには「アルコール、エタノール」が入っているので
添付文書をよく見ると「え?」という注意書きがたくさんある。
今回は外用液に注目してみる。
(※めちゃくちゃく細かい・・・)
おまけ:ルリコン®、ルコナック®による着色
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①外用剤の添加剤であるエタノール について
塗料を溶かす記載がある。
足に塗ることが多いので床の色とかが落ちる可能性がある。
ちょっと困る・・・
気にしそうな人には指導した方が良い?
ただ、記載がないものもあるので
成分として含むかどうかで判断できるといいのではないだろうか
色々な例をピックアップしてみる。
アスタット®外用液
取り扱い上の注意の記載
「合成樹脂を軟化したり、塗料を溶かすことがあるので注意すること。
火気を避けて保存すること。」
※ 基剤に有機溶媒(エタノール、メチルエチルケトン)を用いている
ゼフナート®外用液
「液剤は、刺激を生じることがあるので、亀裂、びらん面には注意して使用すること」
「取り扱い上の注意
液剤は合成樹脂を軟化したり、塗料を溶かしたりすること があるので注意すること。
液剤は火気を避けて保管すること。 」
アトラント® 外用液
上記のような取り扱い上の注意はないが・・・
基剤にエタノールを含む。同様の注意は必要と思われる
マイコスポール®液(特殊な部分あり)
「低温(約3℃以下)で凝固するので注意すること
合成樹脂を軟化したり 塗料を溶かすことがあるので注意すること」
※低温の記載は、特徴的、一応知っておくとよい。
寒い時期は固まる可能性がある。
ルリコン®液(特殊な部分あり)
「・衣類に付着すると黄色に着色することがあるので注意すること。
・合成樹脂を軟化したり、塗料を溶かしたりすることがあるので注意すること。(液のみ)
・火気を避けて保存すること。(液のみ) 」
※衣類の着色については下記で別に記載する
ルコナック®液
成分は、上記のルリコン®液を同じルリコナゾールである。
そのため注意はほとんど同じである。
「・衣類に付着すると黄色に着色することがあるので注意すること。
・合成樹脂を軟化したり、塗料を溶かしたりすることがあるので注意すること。 ・本剤は可燃性であるため、使用及び保存の際には火気を避けること。
(火気厳禁、第一石油類、危険等級Ⅱ) 」
クレナフィン®爪外用液
下記のような記載があるが、塗料の話はない。
ただ、成分としてエタノールを含むので注意は必要だと思われる
「・開封後12週間経過した場合は、残液を使用しないこと。
・本剤は可燃性であるため、保存及び使用の際には火気を避けること。
(第一石油類、危険等級Ⅱ、水溶性、火気厳禁) 」
② おまけ:ルリコン®、ルコナック®による着色
個人的には汗が関係しているのかな?なんて思っていたのだが、
メーカーに問い合わせてみると
「原薬自体の分解によって黄色に着色するとのこと」
なかなか避けるのが難しそう・・・
白い靴下は避けた方がよいかな・・・?
参考資料
各薬剤の添付文書
ルリコン®、ルコナック®メーカー問い合わせ