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スルファジアジン銀 (ゲーベンクリーム)の特徴について~ガイドライン上の位置づけも~

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スルファジアジン銀 (ゲーベンクリーム)の特徴についてガイドライン上の位置づけも含めて解説する。
スルファジアジン銀は Sulfonamide の誘導体であるが、サルファ剤とは異なる作用を示す。銀(Ag)が細菌の細胞膜、細胞壁に作用して抗菌作用を発揮することが分かっている。

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①スルファジアジン銀(ゲーベンクリーム)の特徴

効能・効果

「外傷・熱傷及び手術創等の二次感染,びらん・潰瘍の二次感染」

※軽いやけどだと痛みを感じることがあるので使用しない

用法・用量

「1日1回,滅菌手袋などを用いて,創面を覆うに必要かつ十分な厚さ(約2〜3mm)に直接塗布する.又は,ガーゼ等に同様の厚さにのばし,貼付し,包帯を行う.なお,第2日目以後の塗布に際しては,前日に塗布した本剤を清拭又は温水浴等で洗い落としたのち,新たに本剤を塗布すること.」

※塗布量が少ないと効果が十分に出ないので守ること
※滲出液が少ない場合に1日1回塗布する

禁忌

・本剤の成分又はサルファ剤に対し過敏症の既往歴のある患者
・新生児
・低出生体重児
・軽症熱傷

作用機序

スルファジアジン銀は Sulfonamide の誘導体であるが、サルファ剤とは異なる作用を示す。
銀(Ag)が細菌の細胞膜、細胞壁に作用して抗菌作用を発揮することが分かっている。

※創傷面で菌との接触により作用を示す。

その他の特徴

・水を約60%含むO/W型のクリーム
基剤が浸透するため壊死組織の軟化、融解作用があるため清浄化作用を示す。
→この水分で壊死細胞を浮き上がらせるイメージ。浸透性がよいため、滲出液が多いと滲出液の再吸収が起こることがある。悪化の原因になりかねない

・滲出液が多いと浮腫を生じることがあるので注意

・ゲーベンクリームはO/W型の乳剤性基剤のため
水で簡単に洗い流すことが出来る。

・乳化剤の刺激に注意が必要
・経皮吸収に優れる
・べとつきが少ない
・他剤と混合して使用しないこと(添付文書記載)

・塩化物を含む消毒剤が混入し、光に当たると変色する可能性がある
→軟膏ベラはよく拭いてから使う
添付文書には下記のように記載されている
「塩化物を含む消毒液(塩化ベンザルコニウム等)が本剤に混入し,その
後曝光すると変色するおそれがあるので,軟膏ベラはよく清拭して用
いること。」

※O/W型とは?:水の中に油が分散している
乾いた創に水分を与え、補う。そのため滲出液が多い創には向かないタイプ

②ガイドライン上の位置づけ

褥瘡管理・予防ガイドライン2015

・感染・炎症→B

・急性期→C1
・滲出液が少ない(感染アリ)→C1
・臨界的定着→C1
・壊死組織→C1
・疼痛→C1

※B:根拠があり、行うように勧められる
※C1:根拠は限られるが、行ってもよい

褥瘡診療ガイドライン2017

・急性期→1D
・深い褥瘡の乾燥した壊死組織の除去→1D
・深い褥瘡(黒色期~黄色期)で滲出液が少ない場合→1D
・深い褥瘡の感染→1A

※1:推奨する
※エビデンスレベルの強さは、A>B(AからDまであり、Aが最も強い)

補足:急性期

急性期とは、褥瘡発生から1週間から3週間であり感染に弱い。

参考資料
ゲーベン®クリーム添付文書
日本褥瘡学会編:褥瘡管理・予防ガイドライン,第4版、褥瘡会誌,17:487-557、2015.
日本皮膚科学会:褥瘡診療ガイドライン.日皮会誌,127:1933-1988,2017

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