エサキセレノン (ミネブロ )は、高血圧の第一選択薬ではないが、抵抗性の場合など使うケースはあるのでポイントを抑えておくと良い。
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エサキセレノン( ミネブロ )の特徴
効能・効果
「高血圧症」
【参考】
高血圧治療ガイドライン2014 では、
ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬は降圧薬治療の第一選択薬として推奨されていないが、低レニン性高血圧に効果が期待出来るため治療抵抗性高血圧に対して有用であると書かれている。
また、心筋梗塞後や心不全を合併している高血圧症や、二次性高血圧である原発性アルドステロン症に対しての使用が推奨されている。
【降圧作用】
エサキセレノン(ミネブロ®)2.5mg とエプレレノン(セララ®)50mgの降圧作用の非劣性が検証されている。
用法用量と注意点
「通常、成人にはエサキセレノンとして2.5mgを1日1回経口投与する。なお、効果不十分な場合は、5mgまで増量することができる」
※腎機能とカリウム値に注意するように様々な切り口で添付文書に記載されている。
【禁忌】
「高カリウム血症の患者もしくは本剤投与開始時に血清カリウム値が5.0mEq/Lを超えている患者」
※開始時というのがポイントである。
「重度の腎機能障害(eGFR 30mL/min/1.73m2未満)のある患者」
※eGFRで判定で判断できるのはありがたい。
【用法及び用量に関連する注意】
「本剤の投与中に血清カリウム値が5.0mEq/Lを超えた場合には減量を考慮し、5.5mEq/L以上の場合は減量ないし中止し、6.0mEq/L以上の場合には直ちに中止すること」
※カリウム値が、エサキセレン服用中に6.0mEq/L以上で中止すること
「中等度の腎機能障害(eGFR 30mL/min/1.73m2以上60mL/min/1.73m2未満)のある患者及びアルブミン尿又は蛋白尿を伴う糖尿病患者では、1.25mgを1日1回投与から開始し、血清カリウム値など患者の状態に応じて、投与開始から4週間以降を目安に2.5mgを1日1回投与へ増量する。効果不十分な場合は、5mgまで増量することができる。」
※腎機能による増量のやり方があるので注意する
4週間というのを覚えておくと良い。
薬理作用・作用機序
非ステロイド構造を有するミネラルコルチコイド受容体阻害薬である
核内受容体であるミネラルコルチコイド受容体に選択的に結合
↓
レニン-アンジオテンシン系等により生成が促進される
副腎皮質ホルモンのアルドステロンによるミネラルコルチコイド受容体の活性化を阻害
↓
降圧作用を示す
※用量依存的に効果を示す
※ミネラルコルチコイド受容体への選択性は高い。
※エサキセレノンは、グルココルチコイド受容体等、他のステロイドホルモン受容体に対する親和性を示さない。
他のミネラルコルチコイド受容体拮抗薬との違い
簡単にまとめてみる。詳しくは別記事でまとめる予定
スピロノラクトン(アルダクトン®)は、女性化乳房などの副作用に注意が必要
であった。
エプレレノン(セララ®)、エサキセレン(ミネブロ®)は、共に非ステロイド型のミネラルコルチコイド受容体拮抗薬である。
スピロノラクトンと比較してミネラルコルチコイド受容体への選択性が高く、女性化乳房などのホルモン系への影響が少ない。
しかし、エサキセレノンとの違いは、いくつかある。
禁忌項目がエサキセレノンの方が少ない。
腎機能低下者にも比較的使いやすい。
【禁忌項目の違う部分】
「微量アルブミン尿又は蛋白尿を伴う糖尿病患者」
「重度の肝機能障害」
「中等度以上の腎機能障害」
「イトラコナゾール、リトナビル及びネルフィナビルを投与中の患者」
【補足】
エサキセレノン(ミネブロ®)のインタビューフォームにて「微量アルブミン尿又は蛋白尿を伴う糖尿病患者」に関して下記のような記載がある。
「アルブミン尿を有する 2 型糖尿病を合併した高血圧症患者を対象とした試験において、RA 系阻害薬との併用下で低用量から漸増投与することにより降圧効果を示した」
【適応症の違い】
エサキセレノンは高血圧のみの適応なので注意
※重度の腎機能障害(eGFR 30mL/min/1.73m2未満)のある患者に対してはどちらも禁忌である。
おまけ:一包化・粉砕・簡易懸濁法
一包化:可
一包化は可能である。
粉砕:可
①25℃、75%、シャーレ開放にて3か月間外観変化なし
②25℃、60%、シャーレ・30万ルクスにて外観変化なし
※光に対しても安定
簡易懸濁法:可
シリンジ55℃の温湯、20ml吸引
→5分静置→反復横転にて懸濁できた
※懸濁後2時間経っても含量に変化なし
※8Frチューブにて通過可能
参考資料
ミネブロ®添付文書、インタビューフォーム
メーカー問い合わせ
高血圧治療ガイドライン2014
セララ®添付文書、インタビューフォーム