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心不全のステージと左室駆出率による慢性心不全の分類(HFrEF・HFpEF・HFmrEF)について

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心不全のステージと左室駆出率による慢性心不全の分類(HFrEF・HFpEF・HFmrEF)について

心不全の治療方針の原則は、左室駆出率(LVEF)により決まる。
そのため、LVEFによる分類を理解しておくことは大切である。
サクビトリルバルサルタン(エンレスト®)という薬剤も登場し、薬局薬剤師も簡単なイメージくらいは持っておかないと・・・
そもそも服薬指導することすら出来ない時代が来たのかもしれない
(少し厳しい言い方だが・・・)

心不全の定義についてはこちらの記事を参照

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①心不全のステージ

心不全は生活習慣病などが原因で心臓機能障害が生じ、心ポンプ機能を発揮できなくなる結果、呼吸困難や倦怠感、浮腫が出現し、それに伴い運動耐容能が低下する臨床症候群

【ステージA 】
高血圧、糖尿病、動脈硬化性疾患などを持っているが、
器質的心疾患のなく、心不全症候がないステージ

※危険因子はあるリスクステージ
器質的心疾患なし、心不全症候なし

【ステージB】
虚血性心疾患など器質的心疾患のあるステージである。
多くの場合、急性心不全として発症する。
次第に、心機能が落ちていきステージCへ進行する。

※器質的心疾患あり、心不全症候なし

【ステージC】【心不全ステージ】
慢性心不全に移行し、急性心不全による入退院を繰り返すことによって重症化する。
身体機能が低下し、時には急に亡くなることもある。
だんだん薬も効きにくくなりステージDへ進行していく。

※器質的心疾患あり、心不全症候あり

【ステージD】【治療抵抗性ステージ】
治療抵抗性(難治性・末期)心不全のステージである。
終末期ケアや緩和ケアが行われることもある。

②左室駆出率による慢性心不全の分類

「左室駆出率(LVEF)」による分類が用いられるので簡単にまとめる。
基準としては、LVEF50%である。

【HFrEF:heart failure with reduced ejection fraction】

・読み方:ヘフレフ
・LVEFの低下した心不全である(LVEF40%未満)
・収縮不全がメイン
・原因疾患として多いのは、基礎心疾患は拡張型心筋症、虚血性心筋症、冠動脈疾患である。
・ステージCのHFrEFに対する標準治療薬は、ACE阻害薬またはARB、β遮断薬、ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬が第一選択薬として推奨されている。

【HFpEF:heart failure with preserved ejection fraction】

・読み方:ヘフペフ
・LVEFの保たれた心不全である(LVEF50%以上)
・拡張不全がメイン
・高齢の女性に多い。高齢者の多くの心不全がこれだとも言われている。
・原因疾患として最も多いのは、「高血圧性心疾患」である。
・有効な治療が十分に確立されていない
※うっ血症状に対して利尿薬を使う
※糖尿病、高血圧、心房細動、慢性腎臓病、肥満、COPDなどの併存症への治療が中心
・予後は駆出率の低下したHFrEFと同様に不良である。

【HFmrEF:heart failure with mid‒range ejection fraction 】

・読み方不明:へフエムレフ?誰か教えてください!
・LVEFが軽度低下した心不全である(LVEF40%以上50%未満)
・境界型(ミッドレンジ)にある心不全
・まだしっかり検証されていないため、上の2つの分類をまずは理解する。

参考資料
急性・慢性心不全診療ガイドライン
かかりつけ医向けガイドライン,日本心不全学会