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利尿薬 循環器 高血圧

ナトリックス錠 の特徴について~インダパミド~

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ナトリックス錠 の特徴について簡単に整理する。一般名は、インダパミドである。
チアジド系(サイアザイド系)利尿薬に類似した薬剤である。
基本的な作用はチアジド系と同じと考えてよい。
サイアザイド骨格を持たないため、サイアザイド系類似利尿薬と呼ばれたりする。

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チアジド系 (サイアザイド系)利尿薬の比較・違いについて

ナトリックス錠 の特徴

効能・効果

「本態性高血圧症」

※適応は、高血圧しかないので注意する必要がある。
また、電解質異常には注意が必要である。

重要基本的注意の記載
「本剤の利尿効果は急激にあらわれることがあるので、電解質異常、脱水に十分注意し、少量から投与を開始して、徐々に増量すること。
連用する場合、電解質異常があらわれることがあるので定期的に検査を行うこと」

用法・用量

「インダパミドとして、通常成人1日1回2㎎を朝食後経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。ただし、少量から投与を開始して徐々に増量すること。」

作用の特徴

・他の利尿剤に比べ、利尿作用は弱く、降圧作用が強い。
・1日1回の服用で24時間効果が持続する
・作用発現時間2時間
・最大効果発現時間約2時間
・効果持続時間24時間

薬理作用

遠位尿細管でのNa/Cl共輸送体を阻害する

尿管腔から細胞内へのナトリウムイオンの再吸収を抑制

水分の再吸収を抑制

利尿効果を示す
※ナトリウム利尿

ナトリウムの再吸収量が減少

循環血液量が減量

末梢血管抵抗を低下

降圧作用を示す

※上記の作用のため、即効性のある降圧剤ではない。
※血管平滑筋の収縮反応に対する抑制作用もある。
(細胞内のカルシウムイオン濃度の低下に起因する?)

※腎機能低下時に使用しない理由
腎機能が低下している場合は、効果が期待できないため使用されない。
原尿のうち15%程度しか遠位尿細管に到達しないので、
腎機能低下で原尿の量が減れば、遠位尿細管に到達する尿自体が少なくなる。
そのため、利尿効果に期待がもてなくなるのである

※浮腫や肺うっ血など体液が過剰であると判断された際に使うことがある

長期服用でも降圧作用?

ナトリウム利尿が降圧作用に関わっているが、
長期服用によって体液量が落ち着いているのに血圧はなぜ下がるのだろうか・・・
理由はいくつか言われているが、個人的に分かりやすいのは次の2つである。
「長期服用により血管抵抗が下がってくる」
「摂取した過剰な塩分を再吸収しないように作用している」

その他の特徴

・利尿作用は用量依存的
・腎機能低下時は使用しない
(無尿の人、急性腎不全の人には禁忌となっている)
→ループ利尿薬を用いたりする

・低カリウム、高カルシウム、低マグネシウム、高尿酸血症を起こしやすい
→カルシウムの尿中排泄が抑制するので尿管結石や骨粗鬆症にはよいと言われている。

・他のチアジド系薬剤と比べて低カリウム血症になりにくい
※チアジド系に比べ、カリウム排泄作用は比較的弱く、利尿作用は緩和で持続的
※血糖値への影響も少ない

・食事による影響はほとんどない

・尿量はそこまで増えない
※トイレを気にする人が多いので利尿薬とだけ説明してしまうと
勘違いしてしまうため注意する。
自己中止する可能性がある。

参考資料
ナトリックス®添付文書、インタビューフォーム